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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第7.2版 (62 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00332.html
出典情報 「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第7.1版」の周知について(5/9付 事務連絡)《厚生労働省》
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●新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き・第 7.2 版 ●6 院内感染対策



院内感染対策

世界そして日本でも,COVID-19 の院内感染事例が多数報告されている.患者から医療従事
者への感染例のみならず,医療従事者から患者,医療従事者間の感染が疑われる事例も起きて
おり,院内感染対策の厳重な実践が欠かせない.
COVID-19 の感染経路は,くしゃみや咳嗽,会話などの際に生じる飛沫が目や鼻,口などの
粘膜に付着したり呼吸器に入ることで汚染された環境に触った手で目や鼻,口などの粘膜に触
れたりすることによって感染する.したがって,患者の診療ケアにおいては,標準予防策に加
えて,飛沫予防策と接触予防策を適切に行う必要がある.
なお,SARS-CoV-2 はエンベロープをもつ RNA ウイルスであり,熱・乾燥・エタノール・
次亜塩素酸ナトリウムに消毒効果が期待できる.変異ウイルスに対する感染予防策は,基本的
に従来のウイルスに対するものと同様である.
2021 年2月から医療従事者等を対象にワクチンの先行接種が開始され,12 月からは追加接
種(3 回目)も行われている.
表 6-1

感染防止策
感染防止策を実施する期間* 1

必要な感染防止策
初期対応

標準予防策(呼吸器症状がある場合
のサージカルマスクを含む)

疑い患者

標準予防策
接触予防策・飛沫予防策

確定例

*1
*2
*3
*4
*5

①発症日から 10 日間*2経過し,かつ,症状
軽快後 72 時間経過した場合,または,②発
症から 10 日間 *3 経過以前に症状軽快して
24 時間経過後,PCR 検査で 24 時間以上間
隔をあけて 2 回の陰性が確認された場合
〔人工呼吸器等を要した患者〕
①発症日から 15 日間経過し,かつ,症状軽
快後 72 時間経過 *4,または,②発症から
20 日間経過以前に症状軽快し,症状軽快後
24 時間経過した後,PCR 検査または抗原定
量検査で 24 時間以上間隔をあけて 2 回の陰
性を確認した場合*5

標準予防策
接触予防策・飛沫予防策
空気予防策
(エアロゾル発生手技)

転院時にも本期間を考慮する
無症状病原体保有者の場合は,検体採取日から 10 日間
無症状病原体保有者の場合は,検体採取日から 6 日間
発症日から 20 日間経過までは,退院後も適切な感染予防策を講じること
症状とは COVID-19 による症状をさす.人工呼吸器関連肺炎(VAP)や続発した肺炎や合併症ならびに併存症など
による症状は除く.ただし,個々の症例の感染性については検査などによる定量的評価は困難であり,下記の文献な
どを参考に主治医の判断が求められる.

〈参考〉国立感染症研究所.発症からの感染可能期間と再陽性症例における感染性・二次感染リスクに関するエビデンスのまとめ(2021.2.18).
https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus/2019-ncov/2484-idsc/10174-covid19-18.html

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