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2025年7⽉14⽇ 女性の体がカロリーをより多く消費する理由を解明 (8 ページ)

公開元URL https://www.isct.ac.jp/plugins/cms/component_download_file.php?type=2&pageId=&contentsId=1&contentsDataId=1509&prevId=&key=ffaf5d63cdd51fc0d198fa084d3dd850.pdf&fileName=sciencetokyopr20250714-yamada
出典情報 東京科学大学 プレスリリース(7/14)《東京科学大学》
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また、こうした基礎的な知⾒を応⽤し、将来的にはカロリー消費を促進する新たな治
療法や薬剤の開発につなげることを⽬指しています。肥満や糖尿病の予防・改善に向け
た選択肢を広げる⼀助となるよう、引き続き研究を進めていきます。
●付記
本研究は、⽇本学術振興会(JSPS)の科学研究費助成事業(22H03126)

(21K16350)
および科学技術振興機構(JST)のムーンショット型研究開発事業(JPMJPS2023)に
よる⽀援を受けました。
●科学技術振興機構(JST)ムーンショット型研究開発事業
⽚桐秀樹プロジェクトマネージャーからのコメント
本研究により得られた知⾒は、個体のエネルギー消費に認められる性差の新たな理解
を促すものである。このことは肥満のなりやすさのメカニズムを明らかにするもので、
糖尿病未病段階を解明し正常に回復させる⼿法/薬剤の開発につながることが期待され、
本ムーンショット⽬標 2 の⽬的にまさに合致する画期的な成果と考える。
【参考⽂献】
[1] Becher, T. et al. Brown adipose tissue is associated with cardiometabolic health.

Nat. Med. 27, 58-923 65(2021)
[2] Quevedo, S., Roca, P., Pico, C. & Palou, A. Sex-associated differences in coldinduced UCP1 synthesis in rodent brown adipose tissue. Pflugers Arch. 436,
689-695 (1998).
[3] Ventura-Clapier, R. et al. Mitochondria: a central target for sex differences in
pathologies. Clin. Sci. (Lond) 131, 803-822 (2017).
【⽤語説明】
(1)

褐⾊脂肪組織(BAT;Brown Adipose Tissue)
:脱共役タンパク質(UCP-1)
を発現するミトコンドリアを含み、熱産⽣およびカロリー消費を担う脂肪組織。

(2)

ミトコンドリア:細胞内に存在する⼩器官であり、電⼦伝達系によりミトコン
ドリア内膜を挟んで形成される電位勾配を利⽤して、ATP 合成酵素によって
ATP を産⽣する。

(3)

UCP-1(uncoupling protein-1)
:ミトコンドリア内膜に存在する H+(プロト
ン)輸送体として機能するタンパク質。ミトコンドリアの電⼦伝達系によって
形成された電位勾配を消失させることで、電⼦伝達系と ATP 合成を切り離し
(脱共役)
、その過程でエネルギーを熱として放散する役割を担う。

(4)

クリステ:ミトコンドリア内膜に存在する管状に折りたたまれた構造で、電⼦