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2025年7⽉14⽇ 女性の体がカロリーをより多く消費する理由を解明 (2 ページ)
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改善する⼿法や、新規薬剤の開発につながることが期待されます。
本成果は、7 ⽉ 14 ⽇(現地時間)付で「Nature Communications」誌に掲載されま
した。
褐⾊脂肪組織によるカロリー消費の性差の仕組み
●背景
肥満は、2 型糖尿病や脂質異常症といった代謝性疾患、さらには脳梗塞や⼼筋梗塞と
いった⼼⾎管疾患の主な原因の⼀つです。これらの疾患の有病率の上昇は、深刻な社会
問題となっています。⼥性(特に閉経前の⼥性)は、同年代の男性に⽐べて糖尿病や⼼
⾎管疾患の有病率が低いことが知られています。このような「⼥性の優位性」について
は、性ホルモンや遺伝的要因、ライフスタイルなどの観点からさまざまな研究が⾏われ
てきましたが、その根本的なメカニズムはまだ⼗分に解明されていませんでした。
褐⾊脂肪組織(BAT)は、エネルギー基質を分解して熱エネルギーとして放出する、
独⾃のカロリー消費能を持つ組織です。ヒトにおいては、BAT の量が多いほど糖尿病や
⼼⾎管疾患のリスクが低いことが報告されています[参考⽂献 1]
。また、BAT は肥満
や関連疾患の予防・治療において有望なターゲットとされています。特に⼥性は、BAT
の量だけでなく代謝活性も男性より⾼いことが明らかになっており[参考⽂献 1]
、BAT
が⼥性の代謝上の利点に寄与している可能性があります。
げっ⻭類の BAT においても、性別による組織学的・機能的な違いが存在することが
知られています。たとえば、メスのラットの BAT では、オスに⽐べてミトコンドリア
が⼤きく密集しており、熱産⽣を担う脱共役タンパク質 1(UCP-1(uncoupling protein1)
、⽤語 3)も、メスで多く発現しています[参考⽂献 2]
。これらの知⾒は、メスの
BAT がオスよりも代謝活性が⾼いことを⽰唆しています。しかし、こうした性差の背景
にある分⼦メカニズムについては、これまで⼗分に解明されていませんでした。
ペルオキシソーム増殖因⼦活性化受容体 γ 共活性化因⼦ 1α(PGC-1α)は、ミト
コンドリアのエネルギー代謝を制御する重要なタンパク質であり、BAT における熱産
本成果は、7 ⽉ 14 ⽇(現地時間)付で「Nature Communications」誌に掲載されま
した。
褐⾊脂肪組織によるカロリー消費の性差の仕組み
●背景
肥満は、2 型糖尿病や脂質異常症といった代謝性疾患、さらには脳梗塞や⼼筋梗塞と
いった⼼⾎管疾患の主な原因の⼀つです。これらの疾患の有病率の上昇は、深刻な社会
問題となっています。⼥性(特に閉経前の⼥性)は、同年代の男性に⽐べて糖尿病や⼼
⾎管疾患の有病率が低いことが知られています。このような「⼥性の優位性」について
は、性ホルモンや遺伝的要因、ライフスタイルなどの観点からさまざまな研究が⾏われ
てきましたが、その根本的なメカニズムはまだ⼗分に解明されていませんでした。
褐⾊脂肪組織(BAT)は、エネルギー基質を分解して熱エネルギーとして放出する、
独⾃のカロリー消費能を持つ組織です。ヒトにおいては、BAT の量が多いほど糖尿病や
⼼⾎管疾患のリスクが低いことが報告されています[参考⽂献 1]
。また、BAT は肥満
や関連疾患の予防・治療において有望なターゲットとされています。特に⼥性は、BAT
の量だけでなく代謝活性も男性より⾼いことが明らかになっており[参考⽂献 1]
、BAT
が⼥性の代謝上の利点に寄与している可能性があります。
げっ⻭類の BAT においても、性別による組織学的・機能的な違いが存在することが
知られています。たとえば、メスのラットの BAT では、オスに⽐べてミトコンドリア
が⼤きく密集しており、熱産⽣を担う脱共役タンパク質 1(UCP-1(uncoupling protein1)
、⽤語 3)も、メスで多く発現しています[参考⽂献 2]
。これらの知⾒は、メスの
BAT がオスよりも代謝活性が⾼いことを⽰唆しています。しかし、こうした性差の背景
にある分⼦メカニズムについては、これまで⼗分に解明されていませんでした。
ペルオキシソーム増殖因⼦活性化受容体 γ 共活性化因⼦ 1α(PGC-1α)は、ミト
コンドリアのエネルギー代謝を制御する重要なタンパク質であり、BAT における熱産