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抗菌性物質製剤(メロペネム及びバンコマイシン)の原薬国産化による安定供給体制確⽴の要望書 (5 ページ)

公開元URL https://www.chemotherapy.or.jp/modules/important/index.php?content_id=33
出典情報 メロペネム、バンコマイシンの原薬国産化に関する要望書の提出について(7/4)《日本化学療法学会ほか》
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4.特定重要物資に係る当学会の提⾔と現状
⽇本化学療法学会は、2022 年 10 ⽉ 20 ⽇付「抗菌薬の経済安全保障推進法 特定重要物資指
定と安定供給に向けた提⾔」において、厚⽣労働省の「医療⽤医薬品の安定確保策に関する関
係者会議」が最も優先して取り組みを⾏う安定確保医薬品カテゴリ A として選定した抗菌薬 6
成分を特定重要物資に選定するよう強く要望した。
その後、2023 年 1 ⽉、安定確保医薬品カテゴリ A の抗菌薬であるβ-ラクタム系抗菌薬 4 成
分(アンピシリンナトリウム/スルバクタム、タゾバクタム/ピペラシリン、セファゾリン、セフ
メタゾール)が特定重要物資に指定され、原薬の国内製造再開に向けた取り組みが開始されて
いる。⼀⽅、同じ安定確保医薬品カテゴリ A に指定されているメロペネム、バンコマイシンは、
現時点で特定重要物資には指定されていない(表2)

表2 安定確保医薬品カテゴリ A 抗菌薬 6 成分の状況
安定確保医
原薬(略号)

薬品

Key drugs

カテゴリ
アンピシリンナトリウム/

基礎的

特定重要物

医薬品



A







A







セファゾリン

A







セフメタゾール

A







メロペネム

A





バンコマイシン

A





スルバクタム
タゾバクタム/
ピペラシリン

5.メロペネム、バンコマイシンの国産化の必要性
上記のように安定確保医薬品のカテゴリーA に位置付けられている薬剤の中で、4 薬剤は β ラ
クタム系抗菌薬という名⽬で、政府指定の特定重要物資として位置付けられ、国内製造体制の構
築が進められ、国産化の⽬途が⽴っている。これは抗菌薬の安定供給を図る上で画期的なことで
あり、賞賛すべき対応である。抗菌薬の国産化に向けてそれ相応の予算措置が施⾏されたこと、
さらに製薬企業がこの事業に積極的に参画したことも、困難と思われた国産化の実現に⽋かせな
い要因であると思われる。ただし、β ラクタム系抗菌薬の国産化は今後の明るい展望の 1 つに
なったとはいえ、これで問題が解決したとは⾔い難いのが現状である。
同じく安定確保医薬品のカテゴリーA に⼊っているメロペネムとバンコマイシンについても、
重症感染症における使⽤頻度が⾼いにもかかわらず、原薬⽣産の海外依存度や地政学的リスクを
常に孕んでいる現状を考慮すると、上記のβラクタム系抗菌薬と同様に国産化を進めるべき薬剤
であると考える。
以上を踏まえて、4 学会はメロペネムとバンコマイシンの国産化について国に強く要望する。
以上
5