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第3部会「人口減少・地域・国土構想」 中間報告 (1 ページ)
出典
公開元URL | https://www.reiwarincho.jp/news/2025/20250527_001.html |
出典情報 | 令和臨調「超党派会議」 中間報告会(5/27)《日本社会と民主主義の持続可能性を考える超党派会議》 |
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令和 7 年 5 月 27 日
令和臨調「超党派会議」
第3部会「人口減少・地域・国土構想」
中間取りまとめ
「日本をリ・デザインする」
~「近代国家」から「未来国家」へ。「国のかたち」を大転換する。~
はじめに
▪ 明治維新からおよそ160年。その前半、敗戦の憂き目をみた1945年までは、我
が国は列強に侵略されないよう「富国強兵」の国づくりに国土のあらゆる資源を利用
し、列強に伍して「国土拡張」を目指した「国家」優先の時代だった。戦後から平成
に至る後半は、戦争による廃墟からの経済を復興させるため、戦後のベビーブームを
起点とする人口増加という状況を最大限に生かし、限りない拡大・成長を目指した
「国土利用」と、「会社」という集団で GDP の坂道を懸命に駆け上がる時代だっ
た。
▪
我が国は現在、人口減少、巨大地震の切迫、インフラ老朽化など、さまざまな危機に
直面しているが、一方、領土に加えて領海も含めれば、その国土面積は世界第 6 位で
あり、国土の 7 割近くを占める森林や、周囲を取り囲む海など、未だ十分に活かしき
っていない資源が多く存在し、数多く存在する未開拓・未活用の領域には、新たな需
要と成長への可能性が秘められている。
▪
私たちは人口減少が加速する時代を迎えているが、集団での成長の先にある「個人」
の well-being を実現する、真の「成熟社会」を実現すべき時を迎えている。そのため
に環境負荷低減や生物多様性の尊重などの世界の潮流に合わせて、これまでの国土の
見方を大きく変えて、国土を最大限活用していくことが必要である。
▪
160年前の先人がこの国土をゼロベースで見直したように、私たちは今、この間、
学んだ知恵や経験を活して、国土の使い方・暮らし方を再定義しなければならない時
代にいることを自覚しなければならない。
▪
いまこそ明治以来の日本の「国のかたち」を大転換し、明治維新でめざした「近代国
家」確立のための「国のかたち」から、世界のフロンティアを走る「未来国家」確立
のための「国のかたち」へとデザインし直す、すなわち「日本をリ・デザインする」
ことが必要である。日本のリ・デザインに向けて、その一つの案をここに提案する。
提言項目
1. 首都のリ・デザイン
国会・行政・司法の中心が集積し、経済のサービス化・ソフト化に伴い多くの企業が
東京に本社を置く「東京一極集中」による国土構造の歪みは、地方の経済・生活の存
立そのものを脅かす状況となっている。「日本をリ・デザインする」ためには、まず
は首都東京をデザインし直し、地方を東京の成長の動員の場とした明治以来の呪縛か
ら政府・企業・個人を解放し、ヒト・モノ・カネ・情報の流れを「東京から地方へ」
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令和臨調「超党派会議」
第3部会「人口減少・地域・国土構想」
中間取りまとめ
「日本をリ・デザインする」
~「近代国家」から「未来国家」へ。「国のかたち」を大転換する。~
はじめに
▪ 明治維新からおよそ160年。その前半、敗戦の憂き目をみた1945年までは、我
が国は列強に侵略されないよう「富国強兵」の国づくりに国土のあらゆる資源を利用
し、列強に伍して「国土拡張」を目指した「国家」優先の時代だった。戦後から平成
に至る後半は、戦争による廃墟からの経済を復興させるため、戦後のベビーブームを
起点とする人口増加という状況を最大限に生かし、限りない拡大・成長を目指した
「国土利用」と、「会社」という集団で GDP の坂道を懸命に駆け上がる時代だっ
た。
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我が国は現在、人口減少、巨大地震の切迫、インフラ老朽化など、さまざまな危機に
直面しているが、一方、領土に加えて領海も含めれば、その国土面積は世界第 6 位で
あり、国土の 7 割近くを占める森林や、周囲を取り囲む海など、未だ十分に活かしき
っていない資源が多く存在し、数多く存在する未開拓・未活用の領域には、新たな需
要と成長への可能性が秘められている。
▪
私たちは人口減少が加速する時代を迎えているが、集団での成長の先にある「個人」
の well-being を実現する、真の「成熟社会」を実現すべき時を迎えている。そのため
に環境負荷低減や生物多様性の尊重などの世界の潮流に合わせて、これまでの国土の
見方を大きく変えて、国土を最大限活用していくことが必要である。
▪
160年前の先人がこの国土をゼロベースで見直したように、私たちは今、この間、
学んだ知恵や経験を活して、国土の使い方・暮らし方を再定義しなければならない時
代にいることを自覚しなければならない。
▪
いまこそ明治以来の日本の「国のかたち」を大転換し、明治維新でめざした「近代国
家」確立のための「国のかたち」から、世界のフロンティアを走る「未来国家」確立
のための「国のかたち」へとデザインし直す、すなわち「日本をリ・デザインする」
ことが必要である。日本のリ・デザインに向けて、その一つの案をここに提案する。
提言項目
1. 首都のリ・デザイン
国会・行政・司法の中心が集積し、経済のサービス化・ソフト化に伴い多くの企業が
東京に本社を置く「東京一極集中」による国土構造の歪みは、地方の経済・生活の存
立そのものを脅かす状況となっている。「日本をリ・デザインする」ためには、まず
は首都東京をデザインし直し、地方を東京の成長の動員の場とした明治以来の呪縛か
ら政府・企業・個人を解放し、ヒト・モノ・カネ・情報の流れを「東京から地方へ」
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