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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第 10.1 版 (45 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00111.html
出典情報 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第 10.1 版(4/23)《厚生労働省》
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●新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き・第 10.1 版 ●5 薬物療法

エンシトレルビル

商品名:ゾコーバ錠 125 mg

プロテアーゼ阻害薬
2022.11.22 緊急承認,2023.3.15 保険適用,2023.3.31 一般流通開始,
2024.3.5
通常承認
禁忌 ①本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

②特定の薬剤を投与中の患者(最新の添付文書を参照)
③腎機能または肝機能障害のある患者で,コルヒチンを投与中の患者
④妊娠または妊娠している可能性のある女性
☞ エンシトレルビル

フマル酸(医薬品医療機器総合機構 HP)

エンシトレルビルは SARS-CoV-2 のメイン(3CL)プロテアーゼを阻害し,ポリタンパク
質の切断を阻止することによりウイルスの複製を阻害する.

12 歳以上 70 歳未満の患者を対象に,1 日目は本剤 375 mg または 750 mg を,2 日目~
5 日目は本剤 125 mg または 250 mg を 1 日 1 回経口投与するランダム化二重盲検国際
共同第Ⅱ/Ⅲ相試験が実施された(2022 年 2 月~同年 7 月).参加した 1,821 例のうち,
COVID-19 の症状発現から 72 時間以内に割付された 1,030 例(解析対象は 125 mg 投与
群 347 例,250 mg 投与群 340 例,プラセボ群 343 例)において,5 症状(倦怠感・疲労
感,体熱感・発熱,鼻汁・鼻閉,咽頭痛,咳)が快復するまでの時間(中央値)は,125 mg
投与群で 167.9 時間,プラセボ群で 192.2 時間であった(p=0.04)
.また,発症から 72 時
間以降に割付された患者を含めた有害事象の発現頻度は 125 mg 投与群で 44.2%(267/604
例), プラセボ群で 24.8%(150/605 例)であり,主なものは高比重リポ蛋白の減少であっ
た(31.1% vs 3.8%).なお,重篤な副作用は認められなかった(表 5-2)

本剤は 2022 年 2 月 25 日に開発企業から承認申請された.7 月 20 日の薬事・食品衛生審
議会薬事分科会・医薬品第二部会合同会議では継続審議となったが,11 月 22 日に同会議は
緊急承認を認めた.2024 年 3 月 5 日に通常承認された.

投与方法(用法・用量)

〔12 歳以上の小児および成人〕エンシトレルビルとして,1 日目は 375 mg,2 日目〜
5 日目は 125 mg を 1 日 1 回経口投与する.
投与時の注意点

・一般に,重症化リスク因子のない軽症例では,経過観察のみで自然に軽快するが多いこ
とに留意する(「4-2 外来診療」参照)

・COVID-19 の 5 症状(上記を参照)への効果が検討された臨床試験における成績など
を踏まえ,高熱・強い咳症状・強い咽頭痛などの臨床症状がある者に処方を検討するこ
と.また,本剤の処方の対象者に関しては,今後の臨床試験等の結果も踏まえた検討が
必要となる.
・SARS-CoV-2 による感染症の症状が発現してから 72 時間以内に初回投与すること.症状発
現から 72 時間経過後に投与した患者における有効性を裏づけるデータは確認されていない.

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