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資料3-1 感染症定期報告感染症別文献一覧表[444KB] (2 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_38901.html
出典情報 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会医薬品等安全対策部会(令和5年度第3回 3/22)《厚生労働省》
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ID

感染症(PT)

出典

概要

PLoS Negl Trop Dis.
17(2023)e0011374

CatQueウイルス(CQV)とOyaウイルス(OYAV)を含むOrthobunyavirus
catqueenseは、ペリブニヤウイルス科オルソブニヤウイルス属の1種で、CQVは
蚊とブタに広く分布している。OYAVは2000年にマレーシアのブタから初めて分
離され、中国の蚊とヌカカ、ベトナムの蚊、インドのヒトとムクドリに由来する株を
含め11株が同定されている。本研究では2013年に中国雲南省で採取されたヌ
カカから分離されたOYAV新規分離株SZC50について、様々な細胞株での複
製、ゲノム配列決定、系統発生解析、動物集団における血清陽性率調査、動物
モデルでの病原性調査を行った。2013年7月に雲南省Shizong郡Wulongの
Longburuiウシ農場で採取したヌカカ試料を粉砕、遠心分離したものをBHK-21
細胞に接種した。1例の試料(SZC50)で細胞変性効果(CPE)が誘導され、CPE
が観察された培養細胞上清から抽出されたRNAの完全ゲノム配列を決定した。
ウイルス溶液はBHK-21、MA104、PK15、MDBK、Hela、C6/36、GOATTE細胞
株に接種され、CPEが観察されたのはMA104細胞とPK15細胞だけだった。増殖
効率はPK15細胞(ブタ腎臓由来)が最も高かったが、HeLa細胞(ヒト由来)と
MA104細胞(サル由来)においても効果的に増殖できた。Simbu血清群ウイルス
のS、M、Lセグメント由来ORFの系統発生解析で、SZC50がOYAVの新しい分離
株であることが確認された。雲南省の13都市から採取した831例の血清試料(ブ
タ736例、ウシ45例、ヒツジ50例)の分析では、OYAV SZC50中和抗体価が1:20
以上であったのは270例(ブタ270例、ウシ0例、ヒツジ0例)だった。Kunmingマウ
ス(成体、乳飲みマウス)、C57BL/6マウス(成体、乳飲みマウス)にSZC50を接
種した結果、乳飲みKunmingマウス、成体及び乳飲みC57BL/6マウスは全て死
亡し、感染マウスの解剖で肝臓、小腸、大腸、心臓、脾臓、肺、脳、腎臓、胃に
軽度から重度の臓器損傷が認められた。11日齢ニワトリ胚尿膜腔への様々な
ウイルス用量のSZC503接種では、接種後5-6日で死亡が認められ最高致死率
は37.5%だった。本研究は、中国雲南省のヌカカにおけるOYAV分離株の最初
の明確なエビデンスを示した。動物とヒトに対するOYAVの潜在的感染リスクに
関して、OYAVの系統的調査、そのベクターと自然宿主の調査を実施すべきで
ある。

5 ウイルス感染

Viruses. 15(2023)956

コロナウイルス科アルファコロナウイルス属に属するブタ流行性下痢ウイルス
(PEDV)は、ブタ新生仔において致死的な重度腸炎を引き起こす。以前の研究
では、PEDVがヒト膜アラニルアミノペプチダーゼを認識し、Huh-7(ヒト肝臓)と
MRC-5(ヒト肺)細胞を含むヒト細胞に感染することが示されたが、PEDVがヒト
小腸上皮細胞に感染するかどうかは明らかではない。ブタ小腸上皮細胞は
PEDV感染の標的細胞であり、PEDVがヒト小腸上皮細胞に感染するかどうかを
判断することは、ヒトにおけるPEDV異種間感染の潜在的リスクを明らかにする
ために重要である。本研究ではヒト小腸上皮細胞へのPEDV感染を試験した。ヒ
ト小腸上皮細胞(FHs 74 Int細胞)に、PEDV LJX株及び古典的弱毒化ワクチン
株であるPEDV CV777株を接種し、RT-PCRとウェスタンブロッティングを用いて
M遺伝子mRNA転写物とN遺伝子蛋白質濃度の検出を行った。CV777株を接種
したFHs 74 Int細胞ではPEDV N蛋白質は検出されず増幅産物も示さなかった
が、LJX株を接種した細胞ではPEDV N蛋白質が検出されPEDV M遺伝子増幅
産物が示された。PEDV CV777株はFHs 74 Int細胞に感染できないが、LJX株
は感染できることが示された。電子顕微鏡による観察でも、感染24時間後の
FHs 74 Int細胞にPEDV粒子が存在することが示された。LJX株を接種したブタ
小腸上皮細胞(IPEC-J2細胞)とFHs 74 Int細胞における増殖を比較すると、い
ずれの細胞でもPEDV M遺伝子のRNA量は感染12時間後でピークに達し、その
後は24時間後から48時間後にかけて徐々に減少した。IPEC-J2細胞とFHs 74
Int細胞におけるPEDV LJX感染の増殖パターンは一致していることが示唆され
た。本研究の結果は、PEDVがFHs 74 Int細胞に感染できることを実証し、PEDV
が種を超えて広がる可能性があることを示唆した。CV777株がFHs 74 Int細胞
に感染できなかった原因、PEDVが小腸上皮細胞感染において使用する受容体
などを明らかにすることで、PEDVの異種間伝播特性に関する洞察が得られる
だろう。

6 ウイルス感染

オズウイルス(Oz virus:OZV)はオルソミクソウイルス科(Family
国立感染症研究所.
Orthomyxoviridae)トゴトウイルス属(Genus Thogotovirus)に分類される新規
https://www.niid.go.jp/ RNAウイルスである。2018年に本邦でタカサゴキララマダニ(Amblyomma
niid/ja/route/arthlopod testudinarium)より分離同定され、野生動物の血清抗体調査によって国内での
/1771-idsc/iasr広い分布が予測されていたが、世界的にヒトでの発症や死亡事例は確認されて
news/12108いなかった。今回初めて、発熱・倦怠感等を主訴として受診し、心筋炎により亡
521p01.html
くなられた患者が、ウイルス学的・病理学的にOZV感染症と診断されたので報
告する。

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