よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


資  料 1-1 感染症定期報告(研究報告概要一覧表及び個別症例報告概要) (3 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_38341.html
出典情報 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会血液事業部会運営委員会(令和5年度第4回 3/13)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

番号

詳細版
ページ

梅毒

全国サーベイランスデータによると、梅毒症例の前例のない増加が報告されている。2022年の第1
週から42週までの症例数は10,141例に達し、すでにこの時点で1年間の症例数としては過去50年間
で最多となった。また、この症例数は2021年の同時期と比べ1.7倍であり、第1期及び第2期の梅毒
(早期顕症梅毒)が全体の77.4%を占めた。人口10万人当たりの症例数は東京都と大阪府で最も多
かったが、この急激な増加は全国的なものであった。また、異性間性的接触のある男性と若い女性
Sex Health. 20(2023)370の感染が圧倒的に多かった。近年、感染数総数とともにすべての報告に対する早期顕症梅毒の割
372
合が増加していることから、発生率の増加は単なる検査数の増加によるものではなく、真の増加を
示していると考えられた。感染者の年齢分布は性別によって大きく異なり、男性は主に20~50歳に
ピークがあるのに対し、女性は20歳代前半が多かった。新型コロナウイルス感染症のパンデミック
中の梅毒の急増は、深刻な公衆衛生上の懸念をもたらし、適切な検査と予防措置の重要性を強調
した。

4

20

類丹毒

問題点:Erysipelothrix piscisicarius による初めてのヒト感染例(72歳女性)に関する報告。
【概要】新たにヒトにおいて感染することが認められた感染症に関する報告。グラム陽性通性嫌気性
菌の一種であるErysipelothrix 属は、ブタで丹毒、ヒトで類丹毒を引き起こすことが知られている。
Erysipelothrix piscisicarius は、魚の水産養殖における新規の病原体であり、魚の口腔顔面潰瘍及
び壊死、壊死性皮膚炎、筋炎ならびに蜂巣炎を引き起こす。これまでE.piscisicarius のヒトへの感染
は報告されていない。
【症例報告】72歳女性、原因不明の高熱及び悪寒を訴え、入院した。救急外来では体温が40.2℃に
達し、頭痛、回転性めまい、息切れ、反応の遅れ、傾眠状態、尿閉がみられた。身体的診察では脈
拍125bpm、呼吸数39回/分、血圧89/45mmHgであった。タゾバクタム・ピペラシリン(4.5g q8h)が投
与され、痰の減少や栄養サポートなどの対症療法が併用された。2日目には浮遊性めまい、頭痛、
息切れなどの初期症状は軽減した。しかし、冷感を伴う発熱が続き、最高体温は38.0℃となったが
積極的な治療により患者の体温は徐々に正常に戻った(3日目)。微生物学的原因を特定するため
Emerging Microbes &
の評価に血液培養とメタゲノミクス次世代シーケンシング(mNGS)が含まれ、mNGSでは末梢血から
Infections. 11(2022)2781E.piscisicarius の9回の読み取りが検出され、血液培養の結果はE.rhusiopathiae の感染を示した(4
2784
日目)。この不一致のため、培養された微生物は全ゲノムシーケンス(WGS)に送られ、得られた配
列は91.2%のカバレッジ率でE.piscisicarius の全ゲノムと一致した。その直後、患者の左親指の指先
に赤く腫れた腫瘤が認められた。発症の3日前に患者がエビを洗っていたときに指を刺したと訴え、
バナメイエビと特定された。患者は他の魚介類、家禽、家畜との接触歴がなく、臨床症状及び検査
所見に基づき類丹毒と診断された。抗菌剤感受性試験は、分離された細菌がイミペネム、シプロフ
ロキサシン及びピペラシリンに感受性であることを示唆し、感染症治療のためタゾバクタム・ピペラシ
リンが投与された。11日目に血液培養検査及びmNGSが共に陰性となったため患者は退院した。
【結論】E.piscisicarius はヒトの感染症や疾患、水生動物の感染症を引き起こす可能性がある。本症
例はmNGS同定とWGS確認を通じて、ヒトに重度の症状を引き起こすE.piscisicarius 感染の初めての
症例であった。海産物への接触後に皮膚病変が形成されると、E.piscisicaius のような新たな病原体
に警戒し、適切に治療しなければならない。従来の方法と比較して、mNGSはより優れた検出性能を
示し、臨床診療に有益であった。

5

24

情報源:Gizmodo,Emerging Infectious Diseases
英国で野良猫に咬まれた男性に広範な軟部組織感染を引き起こした新規のGlobicatella について
の報告。Globicatella は、これまで2種が確認されており、ヒトへの感染を引き起こすことが知られて
いるのは1種(Globicatella sanguinis )のみである。研究者等は、今回の細菌の遺伝子配列、全ゲノ
ム配列を決定し、生化学的プロファイリングにより新規のGlobicatella と同定し、抗菌薬感受性を測
定した。

6

30

救命用アルブミン治療薬製造のための英国からの血漿の使用禁止が解除された: 最近まで、変異
型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)の蔓延に対する安全性の予防措置として、血漿由来医薬品の
GOV.UKホームページ.
製造に対し英国から提供された血漿を使用することが禁止されていた。2020年、別の種類の血漿由
https://www.gov.uk/gove 来医薬品である免疫グロブリンの製造に対し、英国産血漿の使用禁止が解除された。英MHRAは現
rnment/news/ban-lifted- 在、エビデンスのさらなるレビューを受けて、Commission on Human Medicineも英国からのアルブミ
異型クロイツフェ
on-use-of-uk-plasmaンを用いた患者の治療禁止を解除するよう勧告したことを確認することが可能である。血液及び血
ルト・ヤコブ病
to-manufacture-life液成分の収集を許可されたすべての組織、及び血漿由来医薬品の製造業者は、leucodepletion(白
saving-albumin血球の除去)、高リスクのドナーの延期及びドナーと患者間の提供を追跡する機能など、免疫グロブ
treatments
リン製造に採用されたものと同様の確固たる安全性基準及びリスクの軽減措置を順守し続けなけれ
ばならない。1999年にleucodepletionが導入されて以降、vCJDの輸血感染、及びvCJDの報告はな
いことなどについて記載されている。

7

35

感染症

出典

概要

<その他>

細菌感染

ProMED-mail
20230803.8711548

2