よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


資料No.2~2-1_日本薬局方の参考情報の改正(案)について (13 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000174942_00008.html
出典情報 薬事・食品衛生審議会 日本薬局方部会(令和5年度第1回 1/22)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

参考情報

1

参考情報

2

参考情報

48

像の側方次元( x, y )情報は,校正の困難さや探針の形状による

49

影響を考慮する必要がある.

50
51

図1

改正事項

G1.

理化学試験関連

に原子間力顕微鏡による

3

ナノ粒子のサイズ及び形態解析法,日本薬局方における秤量の

4

考え方,はかり(天秤)の校正,点検と分銅,並びにはかり(天

5

秤)の設置環境,基本的な取扱い方法と秤量時の留意点

6

える.

を加

代表的な原子間力顕微鏡システムと画像取得用PCの概略

52
7
8

1 .

原子間力顕微鏡によるナノ粒子のサイズ及び
形態解析法〈G1-9-182〉

53

図1)
1.3.

その他の装置

54

防音ボックス:外部音による振動の影響を避けるために,原

55

子間力顕微鏡システムを収容する防音ボックスを利用する場合
がある.

9

原子間力顕微鏡法(AFM:Atomic Force Microscopy)は,カ

56

10

ンチレバーに装着されたナノメートルオーダーの曲率半径を持

57

11

つ微小な探針(図1)と試料表面の原子間に働く力を検出するこ

58

12

とでナノ粒子の画像を取得し,そのサイズや形態,表面形状を

59

13

解析する分析手法である.大気中及び液中で実施することが可

60

できる.
2.

UV照射洗浄装置:カンチレバーを洗浄する場合に利用でき
る.
温度制御装置:温度を一定に保つ必要がある試料測定に利用

14

能である.また,ナノ粒子の剛性などの力学的特性を測定する

61

15

ことも可能である.AFMはナノテクノロジーを応用した医薬

62

16

品の特性解析に利用されている.

63

実施される.

17

1.

64

2.1.

18

1.1.

装置及び動作原理
AFM装置

測定

AFMによるナノ粒子のサイズ測定は,一般に以下の手順で
測定試料の調製

65

測定対象のナノ粒子を適当な溶媒に適切な濃度となるように

19

AFMは,半導体レーザー,AFMヘッド(カンチレバーが装着

66

分散させた試料を調製する.溶媒・濃度はナノ粒子が安定に分

20

される機器の構成部分),探針の付いたカンチレバー,試料ス

67

散状態を保持するよう設定する.

21

テージ,分割フォトダイオード受光部などから構成され,カン

68

2.2.

22

チレバーに照射するレーザーのアラインメントを適切に実施で

69

AFMにより画像を取得する上で,観察対象試料の固体基板

23

き る よ う , 光 学 顕 微 鏡 及 び 荷 電 結 合 素 子 (Charge Coupled

70

への固定は必須である.観察対象試料の物理的化学的特性によ

24

Device :CCD) カメラを 搭載 したもの を用 いる(図 1). こ の

71

り適切な基板を選択することは,観測粒子数や形態など,最適

25

AFMシステムは除振台に設置し,測定に影響を及ぼす振動を

72

な条件を検討する際の重要な要素である.

26

防止する.

73

高さ測定において安定したベースラインを確保するために,

27

1.2.

74

基板の表面粗さは測定対象の粒子に比較して十分に平らでなけ

28

AFM動作原理

ナノ粒子を固定するための基板の準備

AFMの動作原理の一般的な概要は以下のとおりである(図1).

75

ればならない.測定対象の粒子サイズの5%以下の表面粗さ(表

半導体レーザーがカンチレバーの背面に照射され,反射さ

76

面の凹凸について,中心線からの偏差の絶対値平均である算術

30

れたレーザー光は分割フォトダイオード受光部で常にモニ

77

平均粗さ)であることが望ましい.また,ナノ粒子を容易に固

31

ターされている.

78

定するために基板表面の物性が比較的均一であることが重要で

カンチレバーが試料の表面近傍に近づくと,表面間力(引

79

ある.

33

力又は斥力)により生じる曲げモーメントに応じてカンチ

80

一般に,安定に分散しているナノ粒子の表面は正又は負に帯

34

レバーがたわむ.このたわみは分割フォトダイオード受光

81

電しており,それら粒子の固体基板への固定は,静電的相互作

29

32

1)

2)

35

部におけるレーザー検出位置の上下変位として計測される.

82

用によることが多い.例えば,負荷電のポリスチレン標準ナノ

カンチレバーのたわみが一定となるように,試料ステージ

83

粒子は,正に帯電した固体基板表面へ容易に固定できる.粒子

37

又はAFMヘッドに付随しているピエゾ駆動装置によって

84

と基板間の表面間力がファンデルワールス相互作用や疎水性相

38

カンチレバー-試料表面間のz 軸方向での距離を制御しな

85

互作用に依存する,固定する対象粒子が柔らかく基板との相互

39

がら,試料のx, y方向に対してカンチレバーが走査される.

86

作用により変形・崩壊が生じるなど,特に相互作用が複雑にな

87

る場合には,固体基板の選択に多くの検討が必要になる.代表

36

3)

40

以上の1) ~ 3)の動作原理に基づき,ピクセルごとに高さ情

41

報が保存されたAFM画像が得られる.実際の画像取得では,

88

的な基板として,市販されているAFM測定用の高品質マイカ

42

測定対象のナノ粒子は平らな固体基板上に固定されており,粒

89

(muscovite mica),金(111) 蒸着マイカ,単結晶性シリコンな

43

子の高さは基板表面から測定された値になる.ナノ粒子のサイ

90

どが挙げられる.これらの基板は原子レベルで平坦であり,基

44

ズ測定において,対象粒子が球状であると仮定すると,AFM

91

板表面の荷電状態を制御するための表面処理が可能である.例

45

で測定される高さは,粒子の直径に相当することになる.さら

92

えば,負に帯電したナノ粒子を固定する場合には,0.3 vol%

46

に校正用標準試料を利用することにより,AFM画像におけるz

93

の 3 - ア ミ ノ プ ロ ピ ル ト リ エ ト キ シ シ ラ ン (3-

47

軸方向の高さ情報は高い真度と精度を有する.一方,AFM画

94

aminopropyltriethoxysilane,APTES)水溶液で正に帯電する