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05 参考資料1-2 13価肺炎球菌コンジュゲートワクチン(成人用)ファクトシート (16 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_36630.html
出典情報 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 ワクチン評価に関する小委員会(第22回 12/1)《厚生労働省》
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り、費用削減的だった。
その後、Stoecker はオランダで実施された CAPiTA 試験(38)から得られた PCV13 の臨床
効果に関するデータを追加して(47)、費用対効果の再検討を行った(44)。すなわち、IPD
に関するワクチン効果は両ワクチンとも同等である(PPSV23 の有効率 74%、PCV13 の有効
率 75%)として検討された。これに対し、菌血症を伴わない肺炎球菌性肺炎に対する PPSV23
と PCV13 のワクチン効果はそれぞれ 0%、45%と、大きく異なると仮定して検討された。
その結果、PCV13 を追加することで追加費用として 18,900 万ドル(227 億円)が必要とな
るが、合計 3,053 年分の QALY 獲得といった臨床的メリットが得られる。費用と効果の比
を計算すると 1 年分の QALY を獲得するために必要な費用は 6.2 万ドル(日本円で約 750
万円)となった。米国では通常 1 年分の QALY あたり 5 万~10 万ドル以下であれば許容範
囲内であると見なされることから、ACIP はその範囲内でより高い効果が期待できる PCV13
の追加接種が費用対効果に優れるものと判断した(図 5)
。なお、費用や効果のデータを変
えた感度分析によると、PPSV23 の市中肺炎球菌性肺炎に対する効果を 0%から 45%に変化さ
せると大きく結論が変わり、1 年分の QALY あたり最大 31 万ドル(日本円で約 3700 万円)
が必要となり、PCV13 の費用対効果が悪くなることが示された。また、小児への PCV13 接
種の普及に伴い、集団免疫効果による高齢者の肺炎球菌感染症が減少傾向にあることから、
5 年後に高齢者の接種プログラムについて再評価することも決まっている。
本検討の制約として、高齢者における PPSV23 の肺炎球菌性肺炎に対するワクチン効果
が国内外で報告されていることを考慮する必要がある(48,49)。とりわけ、わが国で実施
された高齢者介護施設入所者を対象とした無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験では、
PPSV23 の肺炎球菌性肺炎に対するワクチン効果は 64%であったと報告されている(49)。

図 5 PCV13 追加に関する費用対効果(ACIP で報告された結果)
(文献 47 を参考に作図)

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