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「医療保険制度の将来構想の検討のための調査研究Ⅰ(制度の変遷と将来構想の検討)検討委員会報告書」 (53 ページ)

公開元URL https://www.kenporen.com/press/
出典情報 医療保険制度の将来構想の検討のための調査研究Ⅰ(5/17)《健康保険組合連合会》
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1 0 .社 会 保 障 ・ 税 一 体 改 革 、 全 世 代 型 改 革 を 経 て 健 康 保 険 法1 0 0 年 へ ( 2 0 1 2 年 ~ 2 0 2 2 年 )
2012年の社会保障・税一体改革関連法により、消費税率の段階的な引き上げ、年金、医療、介護等の改革が推進された。国民健康保険の都道府県単位化
を含む2015年の国民健康保険法改正は、国民皆保険制度達成以来の大改革とも評された。この間、後期高齢者支援金の全面総報酬割の拡大等により、健
康保険組合は大幅な負担増を求められた。団塊の世代が75歳に到達する「2022年危機」と同時に、健康保険法はその制定から100年を迎える。
この10年
年間の主な動き
年月

背景、主な動き

2012年(平成24年)

社会保障・税一体改革関連法案成立(消費税率5%から10%へ段階的に引き上げ。消費税を医療、介護、年金、少子化対策の社会保障4経費に充当。基
礎年金国庫負担2分の1の恒久化。短時間労働者の被用者保険適用拡大。産休中の保険料免除等)。社会保障制度改革推進法も成立(民主・自民・公
明による三党合意で追加提出。社会保障給付の公費負担に消費税充当。国民皆保険制度の維持。高齢者医療制度の検討。社会保障制度改革国民会
議の設置と審議結果を踏まえて1年以内に「法制上の措置」等)。マイナンバーを含む番号関連4法案成立。
衆議院解散、総選挙で自民党が勝利し、自民・公明の連立政権を奪還。厚生労働省「健康日本21(第二次)」策定(健康寿命延伸と健康格差縮小等)

2013年(平成25年)

健康保険法等の改正(2010年からの協会けんぽの特例支援措置を2年間延長。第1条の改正=保険給付の対象について「業務外の事由による疾病・負傷」
を「(労災保険法上の)業務災害以外の疾病・負傷」に)。政府「日本再興戦略」閣議決定(データヘルス計画の実施)
社会保障制度改革国民会議の最終報告にもとづき、持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律(社会保障改革プログラム法)
成立(改革の検討項目とスケジュールを明文化。医療は病床機能報告制度、病床機能の分化・連携、国民健康保険の保険者等の改革、後期高齢者支援
金の全面総報酬割、70歳から74歳の患者負担の見直し等。介護は予防給付の見直し、介護納付金の総報酬割等が検討項目に)

2014年(平成26年)

消費税率8%へ引き上げ(4月)。医療介護総合確保推進法成立(消費税財源で総合確保基金の設置。地域医療構想の策定、病床機能報告制度=第6
次医療法改正)。介護保険法改正(一定以上所得者の利用者負担割合を1割から2割へ引き上げ。特別養護老人ホームの入所者を要介護3以上に限定。
要支援者の予防給付を市町村の地域支援事業に移行等)。「健康経営」の取り組み開始(翌年3月、経済産業省が「健康経営銘柄」を発表)。

2015年(平成27年)

健康保険法改正(協会けんぽの国庫補助率16.4%の恒久化と国庫補助減額。入院時食事患者負担額の増額。紹介状なし大病院外来受診時定額負担
の導入。患者申出療養制度。保健事業に「健康管理及び疾病の予防に係る被保険者と被扶養者の自助努力についての支援」を追加(努力義務))。被用
者保険の拠出金負担に対する財政支援の拡充(2017年度以降約720億円)。高齢者医療確保法改正(後期高齢者支援金全面総報酬割の段階的実施。
特別負担調整の導入。医療費適正化計画と地域医療構想との整合)。国民健康保険法等改正法(国民健康保険の都道府県単位化=2018年度実施。
財政支援拡充3400億円=消費税1700億円+全面総報酬割による1700億円。国保組合の国庫補助の見直し)。第7次医療法改正(地域医療連携推進
法人制度)。退職者医療制度の退職被保険者の新規適用が2015年3月までで終了。

2017年(平成29年)

介護保険法改正(介護納付金の全面総報酬割の段階的実施。上位所得者に3割負担導入。保険者機能強化交付金の導入等)。第8次医療法改正(特
定機能病院、広告規制の見直し)。政府が「骨太方針2017」を閣議決定(後発医薬品の使用割合を2020年9月までに80%とする目標を設定)。

2018年(平成30年)

診療報酬・介護報酬同時改定(オンライン診療の評価等)。健康保険法改正(病床過剰地域での保険医療機関の指定の見直し)

2019年(平成31年)
(令和元年)

健康保険法改正(被扶養者の国内居住要件。医療・介護情報の連結解析。マイナンバーカードを被保険者証とするオンライン資格確認を可能に)
医療介護総合確保推進法改正(医療情報化支援基金の創設)。高齢者医療確保法改正(高齢者保健事業と介護予防の一体的実施)。
消費税率10%へ引き上げ(10月)

2020年(令和2年)

厚生年金保険法・健康保険法改正(短時間労働者等の被用者保険適用拡大)。介護保険法改正(医療・介護データ基盤整備等)。新型コロナ感染拡大。

2021年(令和3年)

「全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案」可決、成立(一定所得以上の後期高齢者に2割負担導入。傷
病手当金、任意継続被保険者の見直し等)。医療法等改正法案の可決、成立(医師の働き方改革、地域医療構想実現に向けた医療機関の再編支援、
感染症等の医療計画への位置づけ、外来医療の機能の明確化)。

2022年(令和4年)

上記改革法の順次施行(全世代型社会保障改革の議論がさらに進む)。感染症法改正(発生・蔓延時の医療提供体制整備、流行初期医療確保措置等)

団塊の世代が75歳に到達する「2022年危機」と同時に、健康保険法は制定から100年。

【 参 考 文 献 】

「健保連二十五年の歩み」1969年(昭和44年)11月、健康保険組合連合会(安田彦四郎会長)発行
「健康保険法の歩み」1973年(昭和48年)11月、健康保険組合連合会(安田彦四郎会長)発行
「健保連四十年の歩み」1983年(昭和58年)11月、健康保険組合連合会(西野嘉一郎会長)発行
「健保連五十年の歩み」1993年(平成5年)12月、健康保険組合連合会(有吉新吾会長)発行
「健保連六十年の歩み」2004年(平成16年)3月、健康保険組合連合会(千葉一男会長)発行
「健保連七十年の歩み」2014年(平成26年)3月、健康保険組合連合会(平井克彦会長)発行
「日本医療保険制度史」(第3版)2020年(令和2年)1月、吉原健二・和田勝共著、東洋経済新報社発行
「日本の医療―制度と政策」(増補改訂版)2020年(令和2年)4月、島崎謙治著、東京大学出版会発行

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