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参考資料19       9価HPVワクチンの情報提供について (17 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000208910_00059.html
出典情報 第92回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和4年度第27回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)(3/10)《厚生労働省》
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医療従事者の方へ 〜HPVワクチンに関する情報をまとめています〜
2023年3月改訂版

■ HPV ワクチンは、平成 22(2010)年 11 月から子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進事業として接種が行われ、平
成 25(2013)年4月に予防接種法に基づく定期接種に位置づけられました。平成 25(2013)年6月から、積極
的な勧奨(個別に接種を勧める内容の文書をお送りすること)を一時的に差し控えていましたが、令和3
(2021)年 11 月に、専門家の評価により
「HPV ワクチンの積極的勧奨を差し控えている状態を終了させることが
妥当」
とされ、原則、令和4年4月から、他の定期接種と同様に、個別の勧奨を行っております。
■ HPV ワクチンに関する知識がない方、接種すべきか判断できずに
困っている方、接種に不安を抱いている方などが多くおられます。
そのような方々に、適切な情報提供をお願いしたいと考えています。

HPV ワクチンの
接種について、

詳しく教えてください!

■ ワクチンの接種に当たっては、被接種者・保護者に HPV ワクチンの
有効性・安全性に関する十分な情報提供・コミュニケーションをは
かった上で実施してください。なお、その場合は被接種者とその保護
者の不安にも十分御配慮ください。

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ヒトパピローマウイルス
(HPV)
と子宮頸がん

● 子宮頸がんについては、
HPVが持続的に感染することで、異形成を生じた後、浸潤がんに至ることが明らかになっています。

HPVに感染した個人に着目した場合、多くの感染者で数年以内にウイルスが消失しますが、そのうち数%は持続感染−
前がん病変(高度異形成、上皮内がん)のプロセスに移行し、
さらにその一部は浸潤がんに至ります。

● 性交経験のある人の多くは、
HPVに一生に1度は感染すると言われています。
日本においては、ほぼ100%の子宮頸がんで

高リスク型HPVが検出され、その中でもHPV16/18型が50〜70%、HPV31/33/45/52/58型を含めると80〜90%を占めます。

● 日本では、
子宮頸がんの罹患者は年間約1.1万人、それによる死亡者は約2,900人になるなど、重大な疾患となって

います。子宮頸がん年齢階級別罹患率は20代から上昇し、40代でピークを迎えます。

● 子宮頸がん自体は、
早期に発見されれば予後の悪いがんではありませんが、妊孕性を失う手術や放射線治療を要する

20代・30代の方が、年間約1,000人います。
また、前がん病変に対して行われた円錐切除術の件数は年間1.3万件を超えて
います。円錐切除術後は、流早産のリスクが高まると言われています。

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HPVワクチンの効果(有効性)詳しくはこちらへ

https://www.mhlw.go.jp/content/000892337.pdf

● HPVワクチンは2006年に欧米で使われ始めた比較的新しいワクチンであり、
海外や日本で行われた疫学調査では、HPV

ワクチンを導入することにより、子宮頸がんの前がん病変(がんになる手前の状態)を予防する効果が示されています。
また、接種が進んでいる一部の国では、子宮頸がんそのものを予防する効果があることも分かってきています。

● 公費で接種できるHPVワクチンは3種類あります。

○2価HPVワクチン
(サーバリックス®)
HPV16/18型の感染とそれによる子宮頸部異形成を予防する効果が示されています。
○4価HPVワクチン
(ガーダシル®)
HPV16/18型の感染とそれによる子宮頸部異形成を予防するとともに、HPV6/11型の感染とそれによる尖圭コンジロ
ーマも予防することが示されています。
○9価HPVワクチン
(シルガード®9)※令和5(2023)年4月から、9価HPVワクチンも公費で接種できるようになりました。
HPV16/18/31/33/45/52/58型の感染とそれによる子宮頸部異形成を予防するとともに、HPV6/11型の感染とそれに
よる尖圭コンジローマも予防することが示されています。
● HPVワクチン接種により自然感染で獲得する数倍量の抗体を、
少なくとも12年維持することが海外の臨床試験により明ら
かになっています。

● HPVワクチン接種で予防されない型のHPVによる子宮頸がんも一部存在します。
HPVワクチンの接種歴にかかわらず、子

宮頸がん検診を定期的に受けるよう、説明・助言してください。

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