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資 料3 採取したNAT陰性の血漿の取扱いについて(資料4-1より一部抜粋) (6 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_23740.html
出典情報 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会血液事業部会 運営委員会(第4回 2/9)《厚生労働省》
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して、安全のためその二倍とした数字である。当ガイドラインに基づき遡及調査を実施し
てきた結果、前述のとおり 2014 年の個別 NAT 導入以降に献血された HBV NAT 陰性の
血液による HBV 感染を 2020 年末までに 5 例確認している。
一方、医療機関から輸血による感染が疑われる情報を入手した際には、感染が疑われた
血液と同一の採血に由来する輸血用血液について、供給停止、情報提供、製剤の回収等の
対応を実施してきた。個別 NAT 導入後から 2020 年末までの間、医療機関からの感染疑
い例で実際に感染が確定した事例はない。
3.当該 HBV 陽転献血の対応
当該 HBV 感染事例にかかわる複数回献血者は、2020 年 3 月 HBV NAT が単独陽転
(HBs
抗原陰性、HBc 抗体陰性)し、急性感染とみなされた。過去の献血を確認したところ、遡
及調査ガイドラインでは HBV NAT 陽転で HBc 抗体陰性の場合は過去 72 日以内の前回
献血及び前回から 42 日以内の献血について遡及調査することになっていることから、84
日前であった前回献血は遡及調査期間外で調査対象とならなかった。
4.当該輸血後 HBV 感染症疑い報告の対応
某医療機関から、2020 年 9 月の輸血の約 4 か月後に肝炎を発症し、HBs 抗原が陽性と
なったことから輸血後 HBV 感染症が疑われるとの報告を受けた。
(なお、当該患者は輸血
約 70 日後に HBVDNA 陽性となっていたことが追加報告された。

この第一報の報告を受け、輸血に使用された血液 24 本(いずれも個別 NAT 陰性)につ
いて、遡及調査ガイドラインに従い、輸血に使用された血液と同一の献血者のその後の献
血を調査したところ、FFP の献血者 1 名が 84 日後の献血において HBV NAT が陽転して
いることを確認した。その HBV NAT 陽転時の保管検体と患者血液を用いて HBV DNA
の塩基配列を調査したところ、PreS/S 領域を含む P 領域の前半部 1556bp、CP/PreC 領
域 223bp の塩基配列が完全に一致したことから、輸血による感染と考えられた。ウイルス
のジェノタイプはともに A2 であった。
なお、当該 FFP の同時製造品である赤血球製剤の受血者を調査したところ、感染は認め
られなかった。
5.当該献血者の感染状況について
2011 年から 2019 年までの 18 回の献血は、すべて個別 NAT 陰性(20 プール NAT でス
クリーニングを実施していた 2011 年~2014 年の分は、保管検体で個別 NAT を実施し陰
性を確認)であった。2020 年 3 月に HBV NAT が陽転(定性)した時の HBV 濃度は定
量限界以下であり、急性感染例とした場合、84 日前に献血された当該血液が HBV を含ん
でいることは、HBV の増殖速度のうえからは考えられない。
HBs 抗原及び HBc 抗体の検査履歴は、2011 年から 2020 年まで 19 回の献血で二種類の

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