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新型コロナウイルス感染症サーベイランス週報 発生動向の状況把握 2022年第44週(10月31日-11月6日、11月7日現在) (2 ページ)

公開元URL https://www.niid.go.jp/niid/images/epi/PDF/COVID-19_2022_44week.pdf
出典情報 新型コロナウイルス感染症サーベイランス週報 発生動向の状況把握 2022年第44週(10月31日-11月6日、11月7日現在)(11/14)《国立感染症研究所》
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受診・検査行動の変化の影響をより受けにくい。新規に届出された診断時中等症以上は 386 例、診断
時重症例は 104 例、であった。前週と比較して、中等症以上例、重症例ともに増加した。遅れ報告を考
慮し、10月31日現在の第 43 週の値と比較した場合も、直近の週の中等症以上、および重症例は増加
であった。なお、年齢群別では、中等症以上の症例においては、40 代以上で増加した。重症の症例も、
40 代以上の年齢群で微増~増加した。レベルとしては、中等症以上・重症の症例ともに、すべての年齢
群で第 7 波のピークレベルを大きく下回っている。新規の入院例においては、第 41~44週は微増~
増加し、第 44 週は全ての年齢群において増加を認めた。
全国の入院治療等を要する COVIDー19 の入院患者群の推移については、第 42~43 週は横ばいで
あったが、第 44 週は微増に転じた。入院中の重症者数も、第 40~43 週は横ばいであったが、第 44
週は微増した。レベルとしては、第7波のピークレベルを下回っている。新規症例の発生から長いタイム
ラグが想定される死亡者数においては、第41週以降は微増微減を繰り返しており、第 44 週は微増し
た 。 NPO 法 人 日 本 ECMOnet が 集 計 す る Extracorporeal Membrane
Oxygenation(ECMO)・人工呼吸器措置の開始数は、いずれも低いレベルで推移している。人工呼
吸器の開始数は、35 週以降減少傾向で、第 44 週は横ばいであった。ECMO の開始数は第 35 週以
降減少し、第 39~44 週は0であった。新規の人工呼吸器、ECMO の開始数は、第1~6波のピーク
を下回っている。
第 44 週の年齢群ごとの人口 10 万対新規症例報告数は、118~692人 であった。人口あたり新規症
例報告数としては、10 代が最多、70代が最少であった。なお、新規症例報告数が最も多い年齢群は、1
0 代であった。小児と 10 代の傾向としては、0-4歳、5-9歳、10代の人口10万対新規症例報告数は
それぞれ 351、612、692 人であった(それぞれ報告された全症例の 4.1%、7.6%、18.8%)。
第 44 週の新規報告数の前週比は 1.43、年齢群ごとの前週比は、中央値:1.42、範囲:1.36〜1.49
倍と、すべての年齢群で新規症例報告数は増加した。直近5週間の前週比は、第 40 週は 0.80、第 41
週は 0.81、第 42 週は 1.07、第 43 週は 1.22、第 44 週は 1.43 であった。人口 10 万対新規症
例報告数の前週差は、第 44 週は 10 代で最も多く、211 人の増加(481から692人)を認め、次に59 歳の年齢群で162 人の増加を認めた。他の年齢群では、人口 10 万対 35人から131 人の増加を
認めた。
地域別:第 44 週の人口 10 万対新規症例報告数のレベルとしては、北海道で最も高く 817 人、次に東
北の 509 人、他の地域はおおよそ 400 人以下である。全症例の 46%を関東と近畿が占めている。
関東は、第 42、43 週は 32%、第 44 週は 34%であった。近畿は、第 42 週は 15%、第 43 週は
14%、第44 週は13%であった。新規症例報告数の前週比は、すべての地域で 1 を上回った。最も前
週比が高かったのは東海(1.55)、ついで関東地方(1.51)であった。第 44 週の人口 10 万対新規症
例報告数の前週差としては、人口 10 万対11~220 人増加した。北海道では、人口 10 万対 220 人
の増加、東北では 168 人の増加であった。
地域別の新規に届出された診断時中等症以上であった症例は、第 44 週は北海道、東北、関東、北陸、
近畿地方で増加、東海地方で横ばい、中国、四国、九州、沖縄県で微減~減少であった。 診断時重症で
あった症例は、北海道、関東、近畿、四国、九州地方で増加、その他の地方では横ばいから微減であった。
中等症以上・重症の症例はレベルとしては全ての地域で第 7 波のピークレベルを下回っており低い値
であるが、増加した地域を複数認めており、引き続き動向を注視する必要がある。
まとめ:第 44 週は、新規症例報告数は増加し、全ての年齢群と地域でも増加した。検査数が減少した
にもかかわらず、新規陽性数が増加し検査陽性率が増加した。遅れ報告を考慮した新規の中等症以上
および重症の症例も増加し、新規の入院例においても増加した。今後も複数の指標を用いて、状況・疫
学の変化を迅速に捉え、リスク評価と適切な対応に繋げる事が重要である。

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