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資料2-3 MID-NET・NDBの行政利活用の調査実施状況について (9 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26332.html
出典情報 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会医薬品等安全対策部会(令和4年度第1回 6/22)《厚生労働省》
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については、いずれの有効成分においても、群間での大きな差異は認められなかった。
一方で、年齢に関しては、有効成分により程度は異なるものの、0~15 歳の患者数の割
合は BS 継続群が他の 3 群に比べて低く、65 歳以上の患者数の割合は BS 継続群で高
く、次いで先行バイオ医薬品から BS に切替えた群(Ori→BS 切替群)で高かった。
表 2. 各継続群及び切替群における患者背景(性別、年齢)
BS 継続群
初回処方時点
n=6,687
インスリングラルギン
4,212 (63.0%)
男性, n(%)
2,475 (37.0%)
女性, n(%)
年齢, n(%)
12 (0.2%)
0~15 歳
2,444 (36.5%)
16 歳~64 歳
4,231 (63.3%)
65 歳以上
n=4,197
フィルグラスチム
2,382 (56.8%)
男性, n(%)
1,815 (43.2%)
女性, n(%)
年齢, n(%)
66 (1.6%)
0~15 歳
1,600 (38.1%)
16 歳~64 歳
2,531 (60.3%)
65 歳以上

Ori 継続群
初回処方時点
n=4,059
2,548 (62.8%)
1,511 (37.2%)

BS→Ori 切替群
切替え時点
n=260
160 (61.5%)
100 (38.5%)

Ori→BS 切替群
切替え時点
n=572
394 (68.9%)
178 (31.1%)

38 (0.9%)
1,602 (39.5%)
2,419 (59.6%)
n=1,286
733 (57.0%)
553 (43.0%)

<10 (<3.8%)†
<110 (<42.3%)†
157 (60.4%)
n=94
54 (57.4%)
40 (42.6%)

<10 (<1.7%)†
<220 (<38.5%)†
351 (61.4%)
n=228
135 (59.2%)
93 (40.8%)

113 (8.8%)
643 (50.0%)
530 (41.2%)

<10 (<10.6%)†
70 (74.5%)
<30 (<31.9%)†

12 (5.3%)
99 (43.4%)
117 (51.3%)

BS 継続群:BS を継続した群、Ori 継続群:先行バイオ医薬品を継続した群、BS→Ori 切替群:BS
から先行バイオ医薬品へ切替えた群、Ori→BS 切替群:先行バイオ医薬品から BS へ切替えた群
† MID-NET®の公表基準に基づき 10 未満の集計値が特定できないようマスクしている。

 結果を踏まえた考察

BS の処方割合は、有効成分によって程度は異なるものの、販売開始後に経時的に
増加していたことから、BS の使用が普及していることが確認できた。また、イン
スリングラルギン、フィルグラスチム、インフリキシマブ等の一部の有効成分に
ついては、データ種別が異なるため厳密な比較はできないものの厚生労働省保険
局が保有する匿名レセプト情報・匿名特定健診等データベースを用いた集計 8で
の BS の処方割合やその増加傾向とある程度一貫していたことから、MID-NET®
における BS の処方傾向は一般化可能性があると考えられた。

エポエチンアルファにおいて 2010 年の販売開始後に 2016 年で BS の処方割合が
減少した点については、エポエチンベータ等の他の薬剤への切替えが生じている
症例の存在が確認できたことから、例えば、他剤への切替えが影響した可能性が
考えられた。

対象とした BS の一部においては、MID-NET® における使用実態が確認されなか
ったが、当該有効成分の販売開始時期とデータ期間終了時期が近かったこと等が
影響しているものと考えられた。

BS の処方実態に関しては、先行バイオ医薬品から BS に切替えた患者に加えて、
初回から BS を継続して使用している患者についても一定数存在することが確認
された。

ただし、0~15 歳の割合等の一部の患者背景について群間で差異が見られたこと
から、処方選択や切替えの選択には年齢等の患者背景が影響している可能性があ
り、その影響の程度は有効成分により異なる可能性が示唆された。

先行バイオ医薬品から BS に切替えた患者における処方継続期間については、デ
ータ期間内での BS 販売開始以降の期間が比較的短かったこともあり、切替え前
に比べて、BS へ切替えた後で短かったが、一定の期間が取得できていたことか
ら、切替え後の BS 処方患者についても、今後さらにデータ期間が確保され、デ
ータ期間を適切に設定することで追跡は可能であることが示唆された。



厚生労働省. 中央社会保険医療協議会第 423 回総会資料. https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000548711.pdf

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