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参考資料1 岡村班 総合研究報告書_2019~2021 抜粋 (15 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26370.html
出典情報 第4期特定健診・特定保健指導の見直しに関する検討会 健康増進に係る科学的な知見を踏まえた技術的事項に関するワーキング・グループ(第3回 6/22)《厚生労働省》
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あり、脂質異常症あり、糖尿病あり、メタ

Max-CIMT >1.1mm と Max-IMT>1.7mm は

ボリックシンドロームありのいずれかの高

リスク予測モデルのC 統計量を有意に増加

リスク者において、関連が強くなる傾向が

させた。しかし IMT の情報を加えてリスク

みられたが、発症者数が少なく、糖尿病あ

を再評価した場合、従来の健診項目からの

りを除いて有意な関連はなかった。一方、

推定リスク(吹田スコア)で低リスクと予

高血圧治療群、脂質異常症境界値・異常値

測された人が高リスクに再分類されること

群では NT-proBNP の低値よりも高値で脳

はなく、高リスクに再分類されたのは全て

血管疾患リスクが高かった。また詳細検査

中リスク者であり、高リスクと再分類され

項目候補として、中心血圧値・Augmentation

た人は中リスク者の 4.6〜4.7%であった。

Index(AI)と循環器疾患発症リスクとの関

津下は、
糖尿病性腎症重症化予防事業に

連を検討したところ、中心血圧値が高いほ

役立つ健診システムについて検討すること

ど、循環器疾患発症リスクが高く、ハイリ

を目的として、
大規模データベース分析
(日

スク者の選定に有用な可能性が示唆された。

本人間ドック学会の数十万人の大規模デー

健診そのものの効果の検討として、健診

タベースを活用)を実施した。糖尿病予備

受診による循環器疾患予防効果を推定した。

群において慢性腎臓病の有所見率が正常群

国民健康保険被保険者集団においてレセプ

より高く、詳細健診のクレアチニン測定基

ト情報に基づく高次元傾向スコアマッチン

準を保健指導判定値以上としたことは妥当

グを行い、健診受診がその後の循環器疾患

であると考えられた。また尿蛋白陽性化に

発症と関連するかどうかを検討したところ、

は血糖の影響が、eGFR 低下には血圧や脂

健診受診者で循環器疾患発症リスクが

質など、血糖以外のメタボリックシンド

26%低いことが示され、過去の循環器疾患

ロームリスク因子の影響がみられた。国保

死亡をアウトカムにした研究の 30%減少

の重症化予防事業では、HbA1c≧6.5%、尿

とほぼ同様の値を示した。

蛋白(+)
、eGFR<60 を組み合わせて対象

宮本は、吹田研究において、30 歳から 79

者選定を行っている自治体が多かったが、

歳の男女、6,550 人(男:3,080 人、女:3,470

現状の健診では糖尿病性腎症の第 1 期と第

人)を対象としてコホート研究の結果に分

2 期の区別がつかない。腎機能の悪化に関

析し、10 年以内の脳・心血管疾患(冠動脈

連する要因として、尿蛋白(±)
、血圧高値

疾患と脳卒中のいずれかを発症)の発症確

では eGFR 低下速度との関連が示唆された。

率を予測するスコアを開発した(吹田スコ

第 2 期や尿蛋白(±)では生活習慣良好な

ア 2021 年版)
。また吹田研究において、頸

者の方が、腎機能が増悪しにくいことも示

動脈内膜中膜複合体厚(IMT)が詳細な健

唆された。糖尿病性腎症の早期発見には

診項目候補となるかどうかを検討した。吹

eGFR の絶対値の有用性は高いとは言えず、

田研究において、平均 IMT、総頸動脈最大

低下速度の観察や尿アルブミンの測定が必

IMT

(Max-CIMT) 、 頸 動 脈 最 大

要である。

IMT(Max-IMT) は、いずれも循環器疾患発

また中高年女性の健診受診者 約 10 万人

症リスクと正の相関をしており、

を対象に、年齢区分別平均値や BMI との関

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