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令和3年度脳とこころの研究推進プログラム「戦略的国際脳科学研究推進プログラム」中間評価結果報告書 (14 ページ)

公開元URL https://www.lifescience.mext.go.jp/2022/06/3040607.html
出典情報 ライフサイエンス委員会 脳科学作業部会(第3回 6/7)《文部科学省》
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脳とこころの研究推推進プログラム事業(戦略的国際脳科学研究推進プログラ
ム)中間評価結果
代表課題名:

MAO-B 阻害薬 rasagiline によるパーキンソン病治療効果と
神経回路変化についての研究

代表機関 代表研究者: 順天堂大学 服部 信孝
研究期間:

令和元年 9 月 25 日~令和 6 年 3 月 31 日

1. 総合評価
良い。
2. 評価コメント
Covid-19 感染拡大の状況下において、rasagiline 臨床研究症例を目標の90%近くリ
クルートし、本研究の目的である「rasagiline 特異的神経回路特定」、「体液因子特定」への
足がかりを得ている。MRI 研究では、黒質緻密部メラニン含有細胞の評価や次世代拡散 MRI
解析を用いた黒質線条体路の神経変性評価を行い、rasagiline の神経保護効果を示唆す
る知見を得ている。また、rasagiline 反応性と抵抗性の患者群間でメラニン MRI と拡散 MRI
により黒質-線条体回路における信号変化の差を明らかにしたことは高く評価される。生体サンプ
ル研究では、血漿網羅的メタボローム解析および miRNA トランスクリプトーム解析を順調に進
めている。機械学習研究および多階層データのバイオインフォマティクス解析手法の開発も順調
である。
一方、多施設研究でなく、単一施設の PD 患者を対象としていることによるバイアスの可能性
が懸念される。本研究の進展を左右する rasagiline 単剤治療群のリクルートは不十分であり、
重点的な検討が必要である。また、2009 年発表の resagiline の効果を追認したが、目標と
する神経回路や体液因子に関して新規な知見が得られているのかを明解にする必要がある。神
経回路の検証など目標達成への道筋を明確に提示することが望まれる。機械学習による画像
解析アルゴリズムについてさらなる進展に期待したい。