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参考資料2-2 令和3年度厚生労働科学研究費補助金(政策科学総合研究事業臨床研究等ICT 基盤構築・人工知能実装研究事業)AI を活用した医療機器の開発・研究におけるデータ利用の実態把握と課題抽出に資する研究(21AC0701)研究班における検討結果 (10 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26018.html
出典情報 厚生科学審議会 再生医療等評価部会 遺伝子治療等臨床研究における個人情報の取扱いの在り方に関する専門委員会(第7回 6/2)《厚生労働省》
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2.生命・医学系指針と個人情報保護法
生命・医学系指針においては、令和 2 年改正個人情報保護法により導入される仮名加工情
報に関する規定が新設された。仮名加工情報のみを用いて行う AI 医療機器の開発・研究等
であっても、被験者保護を目的とした生命・医学系指針の適用を受けることとなる。すなわ
ち、仮名加工情報を活用した AI 医療機器の開発・研究等の実施に際しては「生命・医学系
指針第4章第8の1インフォームド・コンセントを受ける手続等(2)自らの研究機関にお
いて保有している既存試料・情報を研究に用いる場合」等を参照することとなる10。
仮名加工情報を用いた AI 医療機器開発における生命・医学系指針の適応を検討した結果、
下記のような課題が見出された。


生命・医学系指針第4章第8の 1(2)イ(試料を用いない研究)において、インフォー
ムド・コンセントを受けない場合の要件として「(ア) 当該研究に用いられる情報が
仮名加工情報(既に作成されているものに限る。)、匿名加工情報又は個人関連情報で
ある場合」と規定されているが、この場合の仮名加工情報が、
「既に作成されているも
のに限る。」となっている点は、仮名加工情報を利活用したいという医療機関や企業
側から見れば実質的に生命・医学系指針独自の上乗せ規定のようにも見え、企業が共
同利用の枠組みで、仮名加工情報を AI 医療機器の開発に利活用する上で弊害となり
うることが懸念される。



個人情報でない仮名加工情報は、作成を開始する時点においては個人情報であり、作
成が完了した段階においては他の情報と照合しない限り特定の個人を識別できない
情報であるため、生命・医学系指針第4章第8の1(2) イ(試料を用いない研究)に
ついて、
「既に作成されているものに限る」の要件が匿名加工情報には課されず、仮名
加工情報(個人情報でない仮名加工情報)にのみ課されることは、整合性がとれてい
ないのではないか。



以上より、令和 2 年改正個人情報保護法では情報の利活用促進を目的として仮名加工
情報が新設されたが、改正生命・医学系指針では「既に作成されているもの」に該当
しない仮名加工情報の利活用について、実質的に上乗せ規定が設けられており、仮名
加工情報の利活用を進める上で弊害となっているため、今後見直しなどが求められる
のではないか11。

10

2022 年 3 ⽉ 31 ⽇付事務連絡参照。

11

⾒直しが⾏われるまでの当⾯の間は、例えば「実際に利⽤される時点で仮名加⼯情報に

加⼯されていれば、研究の開始時点において既に仮名加⼯情報として作成されているもの
でなくても、
「既に作成されているもの」に該当する」などをガイドラインや Q&A におい
10