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参考資料 令和7年度第8回薬事審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会 資料1-3 嶋根参考人提出資料(濫用等のおそれのある医薬品の成分指定に係る研究) (9 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_69108.html
出典情報 薬事審議会 医薬品等安全対策部会(令和7年度第3回 1/23)《厚生労働省》
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ジフェンヒドラミンの特性と諸外国の状況
〇抗ヒスタミン作用(主作用)
ヒスタミンH1受容体を遮断し、中枢神経の活動とアレルギー
症状を抑制
(堺敏明,1989など)
〇睡眠・鎮静作用(主作用)
ムスカリン受容体を遮断し、頭痛、めまい、幻覚、錯乱、便
秘、吐き気などの抗コリン作用を誘発
(柳沼道郎 ,1990など)
〇鎮静作用(副作用)
ドパミンD2受容体を遮断し、運動抑制・意欲の低下など(血
中濃度として60 ng/mL以上で鎮静作用)
(上條吉人 ,2023など)
〇Na+チャネル遮断(副作用)
神経、心臓、筋肉の活動に幅広く影響、致死性に関与
(Jon BC et al, 2011など)
諸外国規制状況
• 幻覚目的、自殺手段そして依存性は世界的な問題
• アメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリアでは販売等制
限は確認できない(2025/10/31時点)
• アメリカでは2000年5月頃から、未成年によるSNS上で幻
覚体験談の投稿拡大、入院・死亡例が報じられ、FDAが注意
喚起
• 抗ヒスタミン薬は、第一世代(ジフェンヒドラミンなど)か
ら副作用の少ない第二世代への移行が推奨されている(Parisi
GF, Allergol Immunopathol (Madr). 2020)
スライド提供:富山健一(国立精神・神経医療研究センター)

文献

濫用・依存性を示唆する報告

Dikranian et al,
2025

米国19歳以下の45,085人(2014〜2023年のDPH患者の合計)を
対象に調査:パンデミック後の2021年以降に意図的な摂取が増加、
2023年の自殺企図(4,688/5,960件,78.7%)、濫用
(568/5,960件,9.5%)、女性が71.5%、場所は自宅(92.7%)、
パンデミック関連ストレス、社会的孤立、ロックダウン中に自宅での医
薬品アクセスが容易になったことなどが要因と考察

Princess et al,
2021

2000-2019年のイングランドにおける抗ヒスタミン薬関連死1,537
件の調査:死亡例の45%がジフェンヒドラミン摂取、自殺は
321/1,537件(20.9%)、他の薬物より自殺率が高い(20.9% vs
16.0%)、社会背景としてオンライン薬局・通信販売の増加で入手容
易に、包装単位制限、警告表示の強化、薬剤師面談義務化などを提唱

Roberge et al,
2018

男性(30代):数年にわたり乱用し、「壁を這う虫や、存在しない人
が自分に指示を出す」といった幻覚、さらに睡眠障害と不安も併発

Thomas et al,
2009

女性(56歳):睡眠改善のため50 mgを毎日摂取、5年間で最大30錠
/日、飲むほど気分が良くなり、服用を忘れると数時間以内にイライラ、
不安、筋肉痛など離脱症状

用量(mg/kg)

主な精神・神経症状

7.5〜7.7

高血圧・頻脈

8.3~19.8

興奮・苛立ち・混乱・幻覚・妄想・呼吸抑制・昏睡

35.6~61.1

眼球振盪・失神・死亡

• 死亡時血中濃度0.3-119 μg/mL(55症例)、血中濃度0.051-2.6 mg/L(2-8歳・
7症例)および49.6 μg/mL (14歳女性)
• 致死摂取量は20-40 mg/kg(血中濃度では5 μg/mLが致死量と推測)
Benson et al, Clin Toxicol (Phila), 2010; Kassem et al, Clin Pract Cases Emerg Med, 2025; Pargst et al, Forensic Sci Int,
2016;