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総-1-1医薬品等の費用対効果評価案について (4 ページ)
出典
| 公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_65884.html |
| 出典情報 | 中央社会保険医療協議会 総会(第627回 11/14)《厚生労働省》 |
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多発性骨髄腫の治療は多岐にわたるが、これまでの治療に大きく貢献してきた3種類の治療
法(エロツズマブ+ポマリドミド+デキサメタゾン)を比較対照技術として設定することは妥
当と考える。
日本の現状では、CAR-T 療法を実施できる施設は限定的であること等から、CAR-T 療法が対
象となる患者も少ないため、CAR-T 療法が対象となる患者を分析対象集団から除くことは妥
当と考える。
(企業の不服意見)
なし
2. エルレフィオ皮下注(一般名:エルラナタマブ)の費用対効果評価結果案の策定に係る専門組織での主
な検討事項
2-1. 公的分析から提示された論点
・ エルラナタマブの投与期間の長期推計について
製造販売業者はエルラナタマブの投与期間について、ピボタル試験(MagnetisMM-3 試験)の TTD
(time to treatment discontinuation: 投与中止までの期間)において観察された投与期間の中央
値が 5.55 か月(観察期間:28.4 か月間)であることを用いて、指数分布に基づく長期の推計を行っ
た。製造販売業者が長期推計したエルラナタマブの TTD は、MagnetisMM-3 試験の観察値や PFS と乖
離しており、エルラナタマブの治療期間を臨床試験よりも短く設定している懸念があった。公的分析
で代替のパラメトリック分布を検討したところ、対数正規分布による外挿曲線が最も当てはまりが
よく、MagnetisMM-3 試験における観察値とよく一致したため、エルラナタマブの TTD を対数正規分
布を用いて推計した。
IVIG(Intravenous Immunoglobulin: 静注用免疫グロブリン製剤)の投与について
エルラナタマブ投与に伴う重大な副作用として低γグロブリン血症が挙げられ、MagnetisMM-3 試
験においては、43.1%の患者が観察期間中に IVIG を投与されたと報告されている。また、Lancman ら
の報告によると、B 細胞成熟抗原(BCMA)指向性二重特異性抗体の治療を受けた多発性骨髄腫患者に
おける投与回数の中央値は 10 回であった。
しかしながら、
製造販売業者の実施した分析においては、
有害事象として低γグロブリン血症は考慮されておらず、IVIG 投与にかかる費用も計上されていな
い。公的分析は、エルラナタマブ群の 43.1%に IVIG を投与するとして再分析を行った。
2-2. 製造販売業者から提示された論点
・ エルラナタマブの投与期間の長期推計について
比較対照技術の有効性のデータソースとして使用した LocoMMotion 試験では、TTD の中央値のみが
報告されている。そのため、1つのパラメータのみで曲線の形状を定義することが可能な指数分布を
用いて、比較対照技術群の TTD を導出した。そのうえで、企業分析では、評価対象技術と比較対照技
術の間で一貫性を持たせるために、評価対象技術であるエルラナタマブの TTD 曲線も指数分布に従
うと仮定した。しかしながら、企業分析における TTD が実際の臨床試験データと一致していないこ
とは事実であり、公的分析による再分析は妥当と考える。
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法(エロツズマブ+ポマリドミド+デキサメタゾン)を比較対照技術として設定することは妥
当と考える。
日本の現状では、CAR-T 療法を実施できる施設は限定的であること等から、CAR-T 療法が対
象となる患者も少ないため、CAR-T 療法が対象となる患者を分析対象集団から除くことは妥
当と考える。
(企業の不服意見)
なし
2. エルレフィオ皮下注(一般名:エルラナタマブ)の費用対効果評価結果案の策定に係る専門組織での主
な検討事項
2-1. 公的分析から提示された論点
・ エルラナタマブの投与期間の長期推計について
製造販売業者はエルラナタマブの投与期間について、ピボタル試験(MagnetisMM-3 試験)の TTD
(time to treatment discontinuation: 投与中止までの期間)において観察された投与期間の中央
値が 5.55 か月(観察期間:28.4 か月間)であることを用いて、指数分布に基づく長期の推計を行っ
た。製造販売業者が長期推計したエルラナタマブの TTD は、MagnetisMM-3 試験の観察値や PFS と乖
離しており、エルラナタマブの治療期間を臨床試験よりも短く設定している懸念があった。公的分析
で代替のパラメトリック分布を検討したところ、対数正規分布による外挿曲線が最も当てはまりが
よく、MagnetisMM-3 試験における観察値とよく一致したため、エルラナタマブの TTD を対数正規分
布を用いて推計した。
IVIG(Intravenous Immunoglobulin: 静注用免疫グロブリン製剤)の投与について
エルラナタマブ投与に伴う重大な副作用として低γグロブリン血症が挙げられ、MagnetisMM-3 試
験においては、43.1%の患者が観察期間中に IVIG を投与されたと報告されている。また、Lancman ら
の報告によると、B 細胞成熟抗原(BCMA)指向性二重特異性抗体の治療を受けた多発性骨髄腫患者に
おける投与回数の中央値は 10 回であった。
しかしながら、
製造販売業者の実施した分析においては、
有害事象として低γグロブリン血症は考慮されておらず、IVIG 投与にかかる費用も計上されていな
い。公的分析は、エルラナタマブ群の 43.1%に IVIG を投与するとして再分析を行った。
2-2. 製造販売業者から提示された論点
・ エルラナタマブの投与期間の長期推計について
比較対照技術の有効性のデータソースとして使用した LocoMMotion 試験では、TTD の中央値のみが
報告されている。そのため、1つのパラメータのみで曲線の形状を定義することが可能な指数分布を
用いて、比較対照技術群の TTD を導出した。そのうえで、企業分析では、評価対象技術と比較対照技
術の間で一貫性を持たせるために、評価対象技術であるエルラナタマブの TTD 曲線も指数分布に従
うと仮定した。しかしながら、企業分析における TTD が実際の臨床試験データと一致していないこ
とは事実であり、公的分析による再分析は妥当と考える。
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