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資料3-1-2 再生医療等製品感染症定期報告感染症別文献一覧表[145KB] (4 ページ)
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公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_59564.html |
出典情報 | 薬事審議会 医療機器・再生医療等製品安全対策部会(令和7年度第1回 7/23)《厚生労働省》 |
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感染症(PT)
出典
概要
B型肝炎DNA測
定陽性
患者は65歳男性で、白血球増多・貧血・血小板減少を契機に入院、急性骨
髄性白血病の診断となった。輸血前のHBs抗原・HBs抗体・HBc抗体は陰性
だった。入院後第3病日に、4価NATの陰性を確認し、血小板製剤が輸血さ
れた。献血者が2週間後の再献血時にNAT陽性となり、HBV DNAが検査さ
れたが陰性であり、本患者の遡及調査にいたらなかった。約1カ月後の再献
血時に献血者のHBV DNA陽性が判明したため、輸血によるHBV感染の可
能性があり本患者は遡及調査の対象となった。輸血後6カ月後の第149病日
にHBs抗原、HBV DNA陽性となり、患者と献血者検体HBVのDNA延期配列
が一致し輸血による感染が確定した。エンテカビルによる治療をおこない
日本輸血細胞治療学会 HBV DNAは陰性化し急性肝炎は発症していない。
誌. 70(2024)27-32
当該HBV感染症例についての当局の薬事審議会血液事業部会資料
血液製剤に関する医療機関からの感染症報告事例等について、令和5年12
月から令和6年2月までの感染症報告事例として、輸血用血液製剤(人赤血
球液又は人血小板濃厚液)は8件、血漿分画製剤(乾燥濃縮人血液凝固第8
因子又は乾燥ポリエチレングリコール処理人免疫グロブリン)は2件であっ
た。そのうち、輸血用血液製剤との因果関係が否定された報告が3件、血漿
分画製剤との因果関係が否定された報告は0件であった。輸血用血液製剤
による病原体感染症報告事例の内訳は、HBV感染が1件、その他細菌等が
4件であった。
B型肝炎DNA測
定陽性
血液事業.
47(2024)499-499
本報告は速やかな受血者情報の収集と調査報告により、輸血後HBVに感染
した受血者の早期治療につながった事例報告である。受血者は70代女性、
原疾患は直腸癌。2023年4月27日に腫瘍出血のためlr-RBC-LR-2(2023年
4月16日採血)を輸血した。当該献血者は2023年6月11日の献血時、個別
NATでHBV DNAが陽転化したため遡及調査の対象となった。当該製剤の個
別NATは陰性であったが、本事例は感染のリスクが高いと判断されたため、
安全管理部門の指示により、医療機関に速やかに情報提供を行うとともに、
協力を得て受血者検体を入手し日本赤十字社中央血液研究所でHBV関連
検査を実施した。受血者の輸血前検体はすべての項目が陰性であったが、
輸血から2カ月後の検体(2023年6月28日採血)において、HBV DNAが陽性
であった。また、献血者のHBV株と受血者の輸血後検体から検出されたHBV
株との相同性を確認した結果、両者のHBV塩基配列はすべて一致しており、
HBVジェノタイプはI(Cの亜型)であった。感染が判明した当初、担当医はイ
ンターフェロン治療を行う方針であったが、ジェノタイプ判明後、核酸アナロ
グ治療に方針を切り替えた。その後受血者は7月26日にHBs抗原が陽性と
なったが、輸血後B型急性肝炎は発症していない。受血者は輸血した血液製
剤に存在していた検出限界未満のHBVによって感染した可能性が高いと考
えられた。また、本事例は個別NATスクリーニング開始後、本邦初のRBCに
よる感染症特定症例であった。遡及調査の情報提供時、当該医療機関では
受血者の輸血後感染症検査は未実施であったため、速やかに患者のフォ
ローを行ったことが、感染初期からの治療開始につながり、結果的に肝炎の
発症を回避していると考えられる。
HIV感染
本件は厚生労働省エイズ動向委員会:令和5(2023)年エイズ発生動向年報
に基づいている。新たにHIV感染症と診断され、届出された者は、HIV感染者
とAIDS患者に分類される。1985~2023年の累積報告数(凝固因子製剤によ
IASR. 45(2024)159-172 る感染例を除く)は、HIV感染者24532(男性21898、女性2634)、AIDS患者
10849(男性9940、女性909)である。本邦の2023年の新規報告数は、HIV感
染者669(男性649、女性20)、AIDS患者291(男性282、女性9)であった。HIV
感染者新規報告において、静注薬物使用は2件あった。
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感染症(PT)
出典
概要
B型肝炎DNA測
定陽性
患者は65歳男性で、白血球増多・貧血・血小板減少を契機に入院、急性骨
髄性白血病の診断となった。輸血前のHBs抗原・HBs抗体・HBc抗体は陰性
だった。入院後第3病日に、4価NATの陰性を確認し、血小板製剤が輸血さ
れた。献血者が2週間後の再献血時にNAT陽性となり、HBV DNAが検査さ
れたが陰性であり、本患者の遡及調査にいたらなかった。約1カ月後の再献
血時に献血者のHBV DNA陽性が判明したため、輸血によるHBV感染の可
能性があり本患者は遡及調査の対象となった。輸血後6カ月後の第149病日
にHBs抗原、HBV DNA陽性となり、患者と献血者検体HBVのDNA延期配列
が一致し輸血による感染が確定した。エンテカビルによる治療をおこない
日本輸血細胞治療学会 HBV DNAは陰性化し急性肝炎は発症していない。
誌. 70(2024)27-32
当該HBV感染症例についての当局の薬事審議会血液事業部会資料
血液製剤に関する医療機関からの感染症報告事例等について、令和5年12
月から令和6年2月までの感染症報告事例として、輸血用血液製剤(人赤血
球液又は人血小板濃厚液)は8件、血漿分画製剤(乾燥濃縮人血液凝固第8
因子又は乾燥ポリエチレングリコール処理人免疫グロブリン)は2件であっ
た。そのうち、輸血用血液製剤との因果関係が否定された報告が3件、血漿
分画製剤との因果関係が否定された報告は0件であった。輸血用血液製剤
による病原体感染症報告事例の内訳は、HBV感染が1件、その他細菌等が
4件であった。
B型肝炎DNA測
定陽性
血液事業.
47(2024)499-499
本報告は速やかな受血者情報の収集と調査報告により、輸血後HBVに感染
した受血者の早期治療につながった事例報告である。受血者は70代女性、
原疾患は直腸癌。2023年4月27日に腫瘍出血のためlr-RBC-LR-2(2023年
4月16日採血)を輸血した。当該献血者は2023年6月11日の献血時、個別
NATでHBV DNAが陽転化したため遡及調査の対象となった。当該製剤の個
別NATは陰性であったが、本事例は感染のリスクが高いと判断されたため、
安全管理部門の指示により、医療機関に速やかに情報提供を行うとともに、
協力を得て受血者検体を入手し日本赤十字社中央血液研究所でHBV関連
検査を実施した。受血者の輸血前検体はすべての項目が陰性であったが、
輸血から2カ月後の検体(2023年6月28日採血)において、HBV DNAが陽性
であった。また、献血者のHBV株と受血者の輸血後検体から検出されたHBV
株との相同性を確認した結果、両者のHBV塩基配列はすべて一致しており、
HBVジェノタイプはI(Cの亜型)であった。感染が判明した当初、担当医はイ
ンターフェロン治療を行う方針であったが、ジェノタイプ判明後、核酸アナロ
グ治療に方針を切り替えた。その後受血者は7月26日にHBs抗原が陽性と
なったが、輸血後B型急性肝炎は発症していない。受血者は輸血した血液製
剤に存在していた検出限界未満のHBVによって感染した可能性が高いと考
えられた。また、本事例は個別NATスクリーニング開始後、本邦初のRBCに
よる感染症特定症例であった。遡及調査の情報提供時、当該医療機関では
受血者の輸血後感染症検査は未実施であったため、速やかに患者のフォ
ローを行ったことが、感染初期からの治療開始につながり、結果的に肝炎の
発症を回避していると考えられる。
HIV感染
本件は厚生労働省エイズ動向委員会:令和5(2023)年エイズ発生動向年報
に基づいている。新たにHIV感染症と診断され、届出された者は、HIV感染者
とAIDS患者に分類される。1985~2023年の累積報告数(凝固因子製剤によ
IASR. 45(2024)159-172 る感染例を除く)は、HIV感染者24532(男性21898、女性2634)、AIDS患者
10849(男性9940、女性909)である。本邦の2023年の新規報告数は、HIV感
染者669(男性649、女性20)、AIDS患者291(男性282、女性9)であった。HIV
感染者新規報告において、静注薬物使用は2件あった。
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