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感染症週報 2025年第22週(5月26日-6月1日) (12 ページ)
出典
公開元URL | https://id-info.jihs.go.jp/surveillance/idwr/jp/idwr/2025/index.html |
出典情報 | 感染症週報 2025年第22週(5月26日-6月1日)(6/13)《国立感染症研究所》 |
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Infectious Diseases Weekly Report Japan
2025年 第22週
(5月26日〜 6月1日)
:通巻第27巻 第22号
関当たりの報告数も過去7年間の水準を大きく上回っていることから、報告医療機関の増加の
みでは十分に説明できない百日咳の全国的な流行が示唆される。
近年は治療の第一選択薬であるマクロライド系抗菌薬に耐性を示す百日咳菌(MRBP:
macrolide-resistant B. pertussis)が日本を含む世界各国で問題となっている。日本では2024年
以降、東京都、大阪府、鳥取県、沖縄県からMRBPに感染した症例が報告されている。2025年
4月には、基礎疾患のない生後1カ月の女児がMRBP感染により呼吸不全、肺高血圧、腎不全
を呈し亡くなった例が報告されている。今後も細菌学的・疫学的解析を継続することで、百日
咳菌の薬剤耐性の動向を把握していくことが重要である。
百日咳の流行は国外でも拡大しており、2021年以降、世界保健機関への報告数は欧米諸国
を含む世界各地で増加傾向を示している。2025年5月31日には、アメリカ大陸地域の複数の国
で報告が大幅に増加していることを受け、汎米保健機構/世界保健機関が疫学的アラートを発
した。本警告では、百日咳のサーベイランスを強化するとともに、特に1歳未満および5歳未満
の小児に注意しながらワクチン接種率を継続的に監視するよう、加盟国に対し要請している。
百日咳の報告数は今後も増加していく可能性があり、全年齢にわたって注意が求められる。
2025年5月21日には予防接種推進専門協議会から「百日咳流行に伴うワクチン接種に関するお
願い」が公開されているが、乳児を中心とした小児期の感染予防策としては、生後2カ月から定
期接種として接種可能な5種混合ワクチンの接種を受けることが最も重要である。また、近く
に乳幼児や妊婦がいる場合は特に、飛沫・接触感染の予防に注意することが求められる。ワク
チン接種から年数が経過した青年・成人も感染する可能性があるため、マスクの着用や咳エチ
ケット、手洗いなどの基本的な感染対策を徹底することに加えて、咳が持続する場合は百日咳
の可能性を考慮して医療機関を受診し、予防行動をとることも重要である。
百日咳の感染症発生動向調査等に関する詳細な情報と最新の状況については、以下を参照
いただきたい(引用日付2025年5月28日):
●国立健康危機管理研究機構 国立感染症研究所 百日咳
https://id-info.jihs.go.jp/diseases/ha/pertussis/010/index.html
●厚生労働省 百日咳
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/
whooping_cough.html
●国立健康危機管理研究機構 国立感染症研究所 百日咳の発生状況について
https://id-info.jihs.go.jp/diseases/ha/pertussis/020/2504_pertussis_RA.html
●国
立健康危機管理研究機構 国立感染症研究所 全数報告サーベイランスによる国内の百日咳
報告患者の疫学(更新情報)-2023年疫学週第1週~第52週-
https://id-info.jihs.go.jp/surveillance/idwr/article/pertussis/040/index.html
●IASR 東京都の小児病院におけるマクロライド耐性百日咳菌感染症例の検出
https://id-info.jihs.go.jp/surveillance/iasr/IASR/Vol46/543/543p01.html
●厚生労働省 百日せきにご注意ください
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001488889.pdf
立健康危機管理研究機構 国立感染症研究所 感染症法に基づく医師届出ガイドライン(第
●国
三版)
https://id-info.jihs.go.jp/diseases/ha/pertussis/040/pertussis_guideline_20250326.pdf
Ministry of Health, Labour and Welfare / Japan Institute for Health Security, National Institute of Infectious Diseases
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2025年 第22週
(5月26日〜 6月1日)
:通巻第27巻 第22号
関当たりの報告数も過去7年間の水準を大きく上回っていることから、報告医療機関の増加の
みでは十分に説明できない百日咳の全国的な流行が示唆される。
近年は治療の第一選択薬であるマクロライド系抗菌薬に耐性を示す百日咳菌(MRBP:
macrolide-resistant B. pertussis)が日本を含む世界各国で問題となっている。日本では2024年
以降、東京都、大阪府、鳥取県、沖縄県からMRBPに感染した症例が報告されている。2025年
4月には、基礎疾患のない生後1カ月の女児がMRBP感染により呼吸不全、肺高血圧、腎不全
を呈し亡くなった例が報告されている。今後も細菌学的・疫学的解析を継続することで、百日
咳菌の薬剤耐性の動向を把握していくことが重要である。
百日咳の流行は国外でも拡大しており、2021年以降、世界保健機関への報告数は欧米諸国
を含む世界各地で増加傾向を示している。2025年5月31日には、アメリカ大陸地域の複数の国
で報告が大幅に増加していることを受け、汎米保健機構/世界保健機関が疫学的アラートを発
した。本警告では、百日咳のサーベイランスを強化するとともに、特に1歳未満および5歳未満
の小児に注意しながらワクチン接種率を継続的に監視するよう、加盟国に対し要請している。
百日咳の報告数は今後も増加していく可能性があり、全年齢にわたって注意が求められる。
2025年5月21日には予防接種推進専門協議会から「百日咳流行に伴うワクチン接種に関するお
願い」が公開されているが、乳児を中心とした小児期の感染予防策としては、生後2カ月から定
期接種として接種可能な5種混合ワクチンの接種を受けることが最も重要である。また、近く
に乳幼児や妊婦がいる場合は特に、飛沫・接触感染の予防に注意することが求められる。ワク
チン接種から年数が経過した青年・成人も感染する可能性があるため、マスクの着用や咳エチ
ケット、手洗いなどの基本的な感染対策を徹底することに加えて、咳が持続する場合は百日咳
の可能性を考慮して医療機関を受診し、予防行動をとることも重要である。
百日咳の感染症発生動向調査等に関する詳細な情報と最新の状況については、以下を参照
いただきたい(引用日付2025年5月28日):
●国立健康危機管理研究機構 国立感染症研究所 百日咳
https://id-info.jihs.go.jp/diseases/ha/pertussis/010/index.html
●厚生労働省 百日咳
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/
whooping_cough.html
●国立健康危機管理研究機構 国立感染症研究所 百日咳の発生状況について
https://id-info.jihs.go.jp/diseases/ha/pertussis/020/2504_pertussis_RA.html
●国
立健康危機管理研究機構 国立感染症研究所 全数報告サーベイランスによる国内の百日咳
報告患者の疫学(更新情報)-2023年疫学週第1週~第52週-
https://id-info.jihs.go.jp/surveillance/idwr/article/pertussis/040/index.html
●IASR 東京都の小児病院におけるマクロライド耐性百日咳菌感染症例の検出
https://id-info.jihs.go.jp/surveillance/iasr/IASR/Vol46/543/543p01.html
●厚生労働省 百日せきにご注意ください
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001488889.pdf
立健康危機管理研究機構 国立感染症研究所 感染症法に基づく医師届出ガイドライン(第
●国
三版)
https://id-info.jihs.go.jp/diseases/ha/pertussis/040/pertussis_guideline_20250326.pdf
Ministry of Health, Labour and Welfare / Japan Institute for Health Security, National Institute of Infectious Diseases
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