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参考1 (22 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00332.html
出典情報 「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第7.1版」の周知について(3/31付 事務連絡)《厚生労働省》
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●新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き・第 7.1 版 ●2 臨床像

数に基礎疾患を認めたが,人工呼吸管理や死亡を認めなかった.
日本小児科学会レジストリ調査における,15 歳未満の 5,129 例(2020 年 2 月 1 日~ 2022
年 2 月 20 日)を,①流行初期(2020 年 2 月~ 2021 年 7 月)2,830 例,②デルタ株流行期
(2021 年 8 月~ 12 月)1,241 例,③オミクロン株流行期(2022 年 1 月~ 2 月 20 日)1,058
例に分けて検討した.肺炎の合併率は 1.1 ~ 1.6% と成人より低率で,酸素投与,呼吸・循環
管理,ステロイド全身投与などの治療介入についても,デルタ株やオミクロン株の流行後も大
きな変動はなかった.
【小児における家庭内感染率】
日本小児科学会の小児症例レジストリ調査「データベースを用いた国内発症小児 Coronavirus
Disease 2019(COVID-19)症例の臨床経過に関する検討」で公開されているデータでは,
20 歳未満症例 5,872 例の中で,3,780 例(73%)において家族が先行感染者であり,学校
関係者および幼稚園・保育所関係者からの感染はそれぞれ 10%,9% であった(2022 年 3 月
22 日時点).
一方で,解析対象を国内でオミクロン株の流行が顕在化した 2022 年 1 月以降に報告された
1,583 例の小児に限定すると,家族内感染は 768 例(49%)に留まっており,学校関係者お
よび幼稚園・保育所関係者からの感染はそれぞれ 19%,11% まで増加した . さらに,オミク
ロン株流行前は,父親から実子への感染が主流であった家族内感染は兄弟間での感染が増加し
ており,同様に幼稚園・保育所における感染も,教師や保育士から子どもへの感染から,子ど
も同士の感染へ移行した.明確な感染源が不明なまま感染する小児の割合は,オミクロン流行
以前は 10%程度に留まっていたが,オミクロン流行後は 17%まで増加していた.
オミクロン株感染例における家庭内感染率の報告が,各国からなされている.英国において,
2021 年 11 月 15 日~ 12 月 6 日の間に検体採取されたオミクロン株感染例 777 例とデルタ
株感染例 115,407 例を対象としたコホート研究によると,デルタ株と比較したオミクロン株
感染例の家庭内二次感染率は調整オッズ比で 2.9 倍(95% CI 2.4 ~ 3.5)であった.2021 年
11 月 21 日~ 2022 年 2 月 3 日を対象とした米国の報告では,家庭内二次感染率は 52.7% で
認められ,発端者が 0 ~ 4 歳の場合に最も高い (72.0%) 二次感染率を示した .
【COVID-19 流行下における小児の予防接種】
COVID−19 流行による世界的な予防接種率の低下により,世界全体でのワクチンで予防でき
る疾患(VPD)に対する集団免疫が低下することが懸念されている.
COVID−19 流行下でも,すべての年齢において推奨される接種スケジュールを遵守するこ
とは,それぞれのワクチンの有効性および安全性を最大限確保するうえでも非常に重要である.
一方で保護者が安心して接種するためには,電話などで事前にかかりつけ医と接種日時を調整
するなどの工夫も必要である.また,やむを得ず接種が遅れたワクチンがある場合は,なるべ
く早期にキャッチアップ接種をする必要がある.地方自治体によっては定期接種時期を超えて
いても特例として,定期接種に準じた接種を認めている自治体もあるので,居住地域の保健所
に相談してもらいたい.
【小児多系統炎症性症候群 MIS-C: multisystem inflammatory syndrome in children】
欧米では 2020 年 2 月以降の COVID-19 パンデミックに伴い,20 歳以下の感染者の中に複
数臓器に強い炎症を認める小児多系統炎症性症候群(MIS-C)を発症し,その中に川崎病と類
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