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公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00332.html
出典情報 「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第7.1版」の周知について(3/31付 事務連絡)《厚生労働省》
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●新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き・第 7.1 版 ●2 臨床像

5. 小児例の特徴
COVID-19 の小児例は,これまで成人例に比較して症例数が少なかったが,検査陽性者に
占める小児例の割合が増加傾向にある (2022 年 3 月 15 日現在:10 歳未満 12.5%,10 代
13.4%,20 歳未満の死亡 10 例)

一方,小児例においては,無症状者/軽症者が多いことが特徴である.しかし,無症状者/
軽症者であっても PCR 法などで検出されるウイルスゲノム量は有症状者と同様に多く,呼吸
器由来検体のみならず,便中への排泄も長期間認められることが報告されている.
国内小児例の臨床的特徴,小児の重症度,小児における家庭内感染率,COVID-19 流行下に
おける小児の予防接種,小児多系統炎症性症候群(MIS-C)について概説する.
【国内小児例の臨床的特徴】
2020 年 1 月~ 2021 年 2 月までに入院した 18 歳未満小児入院例 1,038 例
(年齢中央値 9 歳)
を対象とした後方視的調査では,308 例 (29.7%) が入院時無症状であったと報告されている.
年齢群別に見ると,24 カ月未満と 13 歳以上において,無症状者の割合が低かった(入院時無
症状の割合:20.1%[24 カ月未満],41.4 %[2 歳以上 13 歳未満]
,18.0 %[13 歳以上])

最もよく見られた症状は,咳嗽 (37.1 %) であり,38 ℃以上の発熱を認めたのは 10.3 % であっ
た.嗅覚障害・味覚障害は年長児
(13 ~ 17 歳)
で 6 歳以上 13 歳未満児より多かった (13 ~ 17 歳:
23.7 %・24.7 %,6 歳以上 13 歳未満:6.0 %・9.8 %).酸素投与が行われた症例は 2.1 %
であり,人工呼吸器あるいは ECMO を必要とした症例はなかった.予後は良好であり,2021
年 2 月 28 日時点では,死亡例は 0 であった.入院期間は症状の有無にかかわらず中央値 8 日
間と比較的長期の入院を要しており,調査対象期間における小児例の入院は主に感染拡大予防
を目的としていたものであったことを示唆している.
日本小児科学会による調査結果では,オミクロン株流行後には,発熱,痙攣,咽頭痛,嘔吐
などの症状の出現頻度が増加している.成人患者と比較し低頻度ではあるが,小児患者におい
ても 3.2% に頭痛,倦怠感,嗅覚・味覚障害などの罹患後症状を認めている(2022 年 3 月 20
日時点)

【小児の重症度 】
小児 COVID-19 患者の基礎疾患の有無と重症化に関するシステマティックレビュー・メタ
アナリシス(42 研究,基礎疾患あり:9,353 例,基礎疾患なし:275,661 例)において,重
症化率は基礎疾患ありで 5.1%,なしで 0.2%,重症化の相対リスク比は 1.79(95%CI:1.27
~ 2.51),死亡の相対リスク比は 2.81(95%CI:1.31 ~ 6.02)であった.また,基礎疾患のな
い患者における重症化因子では,
肥満の相対リスク比が 2.87(95%CI:1.16 ~ 7.07)であった.
アメリカにおける小児 COVID-19 入院患者(2020 年 3 月~ 2021 年 5 月)の重症化因子の
検討において,2 歳未満(745 例)における調整リスク比は,
慢性肺疾患 2.2(95%CI:1.1 ~ 4.3),
神経疾患 2.0(95%CI:1.5 ~ 2.6)
,心血管疾患 1.7(95%CI:1.2 ~ 2.3)

早産児 1.6(95%CI:1.1
~ 2.2),気道系奇形 1.6(95%CI:1.1 ~ 2.2)であった.2 ~ 17 歳(1,548 例)における調整
リスク比は,経管栄養 2.0(95%CI:1.5 ~ 2.5)
,糖尿病 1.9(95%CI:1.6 ~ 2.3)
,肥満 1.2
(95%CI:1.0 ~ 1.4)であった.
COVIREGI-JP/REBIND において,
2020 年 10 月~ 2021 年 5 月(デルタ株以前)と比較し,
2021 年 8 月~ 10 月(デルタ株流行期)に登録された小児入院症例では,ICU に入院した症
例が多かった(デルタ株以前:0.1%, デルタ株流行期:1.4%)
,ICU 入院例(6 例)のうち半
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