よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


資料3-11 草場先生提出資料 (4 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00333.html
出典情報 新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(第77回 3/23)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

家族が患者本人の意思決定に大きな影響をもつ日本において、患者の自発的な終末期の
意思決定をどのように進めていけばよいか。人は、文化や地域社会、および愛する人々との
関係の中で人格が形成され、他者と共にあることで、自主性を獲得するという考え方 (関係
自主性論、ジェニファー・ネデルスキー、1989) もある。関係自主性論の立場からは、自分よ
りも、他人の必要を優先して意志決定が行われることも、むしろ自主性を反映した行動と考え
られる。とはいえ、これも万能な方法ではない。愛する人との強い絆がない人もいれば、一人
で決めたい人もいる。家族の要求を優先するように圧力をかけられてしまう人もいる。このよ
うな葛藤を乗り越えるために、どのような形の意思決定を望むのか、患者に日ごろから問うて
おくべきである。病床に愛する人を呼んで欲しいのか、医師と二人で話合いをしたいのか。家
族の中で、特別に信頼している人がいるのかどうか。
日ごろから、真摯に患者の望むところを知り、そのありのままの姿を理解しようと努める姿
勢が、忘れてはいけない ACP の基本である。その基本を踏まえたうえで、本人と医療・ケア
チームの十分な対話に加え、家族等を含め繰り返し話し合い、そのプロセスを記録すること
が求められる。

<提案>

l

ACP=終末期の意思決定を事前に決めておくことと勘違いされることが少なくない。
基本を踏まえたうえで、本人と医療・ケアチームの十分な対話に加え、家族等を含め繰
り返し話し合い、そのプロセスを記録することが求められる。

l

コロナ禍においても、その人が望む、その人らしい生き方のためには、本人の日ごろか
らの意思 「罹患した場合どうする?」、「どこで過ごしたいか」、「どんな治療を受けたい
か」をケアチームの中で共有しておくことが大事。

③ 介護保険サービスの継続方法
【新型コロナウイルス感染蔓延期に介護保険サービスとその利用者に起こる影響】
一般に高齢者は孤独、年齢差別、過度の不安を経験することが知られている。新型コロナ
ウイルス感染の蔓延期に社会生活の低下と対面での交流が減少し、生活の質の低下とうつ
病が増加する。さらに事業所内での感染者や濃厚接触者が確認されることで介護保険サー
ビスが利用できなくなる可能性があり、サービス利用者・患者への影響、とくに ADL 低下、フ
レイル、孤独の予防や対応が求められる。
介護事業所においては感染対策を始め、新しいガイドラインに準拠することが求められる
が、PPE の配備などは医療機関と比べ不平等となっている。また利用者の不安や孤独に身
近に接していたり、訪問介護がうけられないときにケアマネジャーが買い物代行を行ったり

4