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○先進医療会議からの報告について 総-1 (21 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000212500_00142.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 総会(第518回  3/23)《厚生労働省》
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様式第5号

先進医療の内容 (概要)
先進医療の名称:PICSI (Physiologic intracytoplasmic sperm injection)
適応症:胚移植を受ける不妊症患者(胚移植後に反復して流産を認めたもの、あるいは奇形精子
を伴うものに限る)
内容:
(先進性)
ICSI における精子の選別は、手技を行う胚培養士が顕微鏡下で精子の形態と運動性を評価し
選別を行う形態学的選別が主流である。しかしながら、形態学的に best looking な精子が必ずし
も良好な精子とは限らないとの報告がある。さらに ICSI では in vivo や体外受精の過程で自然
に行われている成熟精子の選別を省略してしまっている。このことから、形態学的評価のみで精
子を選別し ICSI を行うと本来卵子の中に侵入できない未成熟な精子が注入されてしまう可能性
がある。その結果として、受精率や胚の発生率が低下し流産率が増加するという報告もある。
卵子に注入する精子は成熟を完了していることが望ましい。成熟を完了した精子は、原形質膜
のリモデリング、細胞質の押し出し、核の成熟が起きていて高密度のヒアルロン酸レセプターが
発現しており透明帯とヒアルロン酸の両方に接着することができる。この特徴を利用して生理学
的に精子を選別する方法が Huszar らにより報告され、PICSI (Physiologic intracytoplasmic
sperm injection) として広く行われるようになった。ヒアルロン酸を利用した精子選別は特別な
器具や染色は必要なく簡便であり、選別した精子を直ちに使用することが可能である。すなわち
PICSI は、精子の形態学的評価だけではなく、成熟度をその場で判別しながら卵子に注入できる
という点で従来の ICSI よりも先進性がある。
(概要)
1)対象及びランダム化
・ICSI 適応患者で、ICSI 後に反復流産や着床不全がみられた患者。または、夫が奇形精子症の
患者を対象とする。説明後同意が得られた対象を ICSI 群と PICSI 群の 2 群にランダムに振り分
ける。
2)卵子・精子の処理
・採卵の 3 時間後にヒアルロニダーゼを使用して裸化を行い。第一極体が放出されている卵子を
成熟卵とし、ICSI の対象とする。
・採卵の朝に採精してもらい 15~30 分液化させた後マクラーカウンティングチャンバーで一般
精液検査を行う。正常形態率は精液の塗抹標本作成後に Diff-Quik で染色を行い、strict criteria
に準じて求める。
・精子の処理は Isolate2 層法で行い、再度洗浄した後に沈渣を 0.5ml に調整してインキュベー
トしておく。
3)HBA アッセイ
R Assay を使用して HBA スコアを求める。
・調整後精子は ICSI の前に HBA○

・ヒアルロン酸がコーティングされているスライドガラスに調整後精子を 5~10μℓ滴下し、カ
バーガラスを被せる。
・室温またはインキュベーターでしばらく静置し、ヒアルロン酸に結合している運動精
子の割合を求める。

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