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○先進医療会議からの報告について 総-1 (16 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000212500_00142.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 総会(第518回  3/23)《厚生労働省》
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様式第5号

先進医療の内容 (概要)
先進医療の名称:子宮内膜スクラッチ
適応症:胚移植を受ける不妊症患者のうち、これまで反復して着床・妊娠に至らないもの
内容:
(先進性)
生殖補助医療における反復不成功例のなかに、形態良好胚を移植しているにもかかわらず妊娠
にいたらない着床不全症例が存在する。着床不全の原因のうち、子宮および卵管側の器質的要因
として子宮粘膜下筋腫、子宮内膜ポリープ、子宮内膜症、子宮奇形、卵管水腫などが挙げられる。
一方、機能的要因として性ステロイドホルモンや胚因子の刺激に対する子宮内膜の反応異常に起
因する胚受容能の異常などが考えられている。この問題に対処するためのさまざまなアプローチ
が検討されており、最近のいくつかの研究では、原因不明の再発性着床障害のある患者の着床率
と妊娠転帰の両方を、局所子宮内膜スクラッチにより改善できることが示されている。
2003 年に実施された Amihai Barash らによる研究 2)では、生検カテーテルを使用して IVF
患者の子宮内膜をサンプリングすると、その後の IVF-胚移植サイクル中に妊娠する可能性が大
幅に増加したことが報告されている。また、Neelam Potdar らによる研究 3)においては、原因
不明の着床障害が繰り返された症例を対象とし、子宮内膜スクラッチの有効性を評価するために
実施されたシステマティックレビュー及びメタアナリシスでは、卵巣刺激周期の前周期における
局所子宮内膜スクラッチが、有益な効果をもたらすことが報告されている。
(概要)
胚移植を行う予定の前周期の黄体期に、婦人科用剥離子(子宮内膜細胞採取具)を子宮頸管よ
り挿入し、子宮の形状に沿って子宮内膜腔にゆっくりと進め、デバイスを同じ方向に数回回転さ
せることによりスクラッチを行う。
翌周期に胚移植を行い、胚移植後 10~14 日後頃に血中 hCG を測定し妊娠判定を行う。妊娠
判定が陰性であれば、観察は終了とする。
妊娠判定が陽性となれば、引き続き経過を観察し超音波検査により胎嚢が確認できれば臨床妊
娠と判定し観察終了とする。胎嚢が確認できなければ化学流産として観察は終了とする。胚移植
当たりの臨床妊娠率を算出し、日本産科婦人科学会より報告されている胚移植による妊娠率との
比較を行い有用性の検証を行う。
(効果)
胚盤胞移植における妊娠率の向上が期待できる。
(先進医療にかかる費用)
先進医療に係る費用は 30,300 円 である。

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