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2022年度 特別養護老人ホームの経営状況について (7 ページ)
出典
| 公開元URL | https://www.wam.go.jp/hp/keiei-report-r5/ |
| 出典情報 | 2022年度 特別養護老人ホームの経営状況について（2／7）《福祉医療機構》 |
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2023-010
2.2
中・小規模特養の経営状況
ビス活動収益が少ないことだけでなく、1 施設
赤字施設は 1 施設当たりサービス活動収益が
低い一方、人件費や業務委託費などが高い。
収益増加、費用削減・抑制が経営改善のカギ
当たり人件費が多いことも人件費率の差の一因
である。なお、1 施設当たり人件費が多いのは、
1 施設当たり従事者数が 0.5～2.4 人多いことも
関係しているだろう。また、経費率についても、
前節の黒字施設・赤字施設の比較では、定員
収益差だけでなく、1 施設当たり水道光熱費や 1
数に違いがあった。本節では、同規模の施設を
施設当たり業務委託費が多いことが、経費率の
黒字・赤字別で比較することで、経営状況の違
差につながっているのだろう。1 施設当たり業
いを明らかにしていく。また、経営状況の厳し
務委託費は、「60 人以上 79 人以下」の区分で
い定員 79 人以下の特養（以下「中・小規模特養」
2,868 千円も多い。これは、業者委託の契約額の
という。）に焦点を当てて、黒字施設と赤字施設
多寡のほか、赤字施設において、給食業務委託
とではどういった指標に差があるのか、経営改
率や労務業務委託率などが高いことが影響して
善に向けたポイントをひも解いていきたい。
いるのかもしれない。
従来型の中・小規模特養について、まず収益
続いて、ユニット型の中・小規模特養をみて
面をみると、赤字施設のほうが特養入所の利用
いく。収益面をみると、赤字施設のほうが 1 施
率が 1～2 ポイント、短期入所の利用率が 8～13
設当たりサービス活動収益は少ない。特に「60
ポイント低い。利用者単価は「29 人以下」と「30
人以上 79 人以下」の区分では、黒字施設との間
人以上 59 人以下」の区分で低く、1 施設当たり
でおよそ 2 千万円もの差があり、他の区分と比
サービス活動収益は、いずれの区分でもかなり
べても収益差が大きいことがわかる。特養入所・
少ないことがわかる。
短期入所の利用率が低いことにくわえて、他の
次に費用面をみると、赤字施設のほうが人件
区分よりも利用者単価が低いことが収益差につ
費率・経費率のどちらも高い。1 施設当たりサー
（図表 8）定員区分、黒字・赤字別
特別養護老人ホーム（従来型）の経営状況
29 人以下
30 人以上 59 人以下
60 人以上 79 人以下
黒字
赤字 差(赤字 黒字
赤字 差(赤字 黒字
赤字 差(赤字
(n=39) (n=51) -黒字) (n=326) (n=392) -黒字) (n=178) (n=181) -黒字)
定員数(特養入所)
(人)
△ 0.9
24.8
24.9
0.1
47.6
47.8
0.2
66.3
65.4
定員数(短期入所)
(人)
12.6
9.5
△ 3.1
12.8
12.3
△ 0.5
11.5
10.6
△ 1.0
利用率(特養入所)
(％)
△ 2.6
△ 2.3
△ 1.0
94.4
91.8
95.0
92.6
93.5
92.6
利用率(短期入所)
(％)
93.1
79.4 △ 13.7
80.0
70.4
△ 9.6
82.7
74.0
△ 8.8
(人)
特養待機登録者数
△ 3.1
△ 2.5
56.4
46.8 △ 9.6
96.0
92.9
105.1
102.6
看取りの状況(体制整備率)
(％)
△ 3.6
△ 2.4
79.5
62.7 △ 16.7
72.7
69.1
77.0
74.6
利用者単価
(円)
12,905 12,776 △ 128 12,687 12,537 △ 150 12,761 12,777
15
1 施設当たり従事者数
(人)
20.0
22.4
2.4
37.1
37.6
0.5
45.7
47.3
1.6
人件費率
(％)
59.3
71.8
12.5
62.1
71.1
9.0
62.4
69.9
7.5
経費率
(％)
24.8
29.3
4.5
28.4
30.9
2.5
28.3
31.5
3.2
サービス活動増減差額比率
(％)
11.1
△ 8.0 △ 19.1
5.4
△ 7.3 △ 12.7
5.4
△ 6.2 △ 11.6
1 施設当たりサービス活動収益 (千円) 134,232 119,597 △14,635 248,215 234,230 △13,985 322,541 311,172 △11,369
1 施設当たり人件費
(千円) 79,592 85,841
6,249 154,165 166,517 12,352 201,161 217,404 16,243
1 施設当たり水道光熱費
(千円)
81 13,873 14,824
951 18,971 19,267
296
7,387
7,468
1 施設当たり業務委託費
(千円)
750 14,908 15,029
121 18,593 21,462
2,868
5,865
6,615
給食業務（全面）委託率
(％)
11.2
△ 0.1
3.6
35.9
47.1
53.4
53.3
47.8
51.4
宿直委託率
(％)
△ 3.5
13.3
1.9
10.3
23.5
23.6
20.2
20.2
22.1
労務業務委託率
(％)
2.3
0.6
3.6
15.4
17.6
16.3
16.8
17.4
21.0
注）給食業務（全面）委託率、宿直委託率、労務業務委託率は n 数に占める委託している割合（以下同じ）
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2.2
中・小規模特養の経営状況
ビス活動収益が少ないことだけでなく、1 施設
赤字施設は 1 施設当たりサービス活動収益が
低い一方、人件費や業務委託費などが高い。
収益増加、費用削減・抑制が経営改善のカギ
当たり人件費が多いことも人件費率の差の一因
である。なお、1 施設当たり人件費が多いのは、
1 施設当たり従事者数が 0.5～2.4 人多いことも
関係しているだろう。また、経費率についても、
前節の黒字施設・赤字施設の比較では、定員
収益差だけでなく、1 施設当たり水道光熱費や 1
数に違いがあった。本節では、同規模の施設を
施設当たり業務委託費が多いことが、経費率の
黒字・赤字別で比較することで、経営状況の違
差につながっているのだろう。1 施設当たり業
いを明らかにしていく。また、経営状況の厳し
務委託費は、「60 人以上 79 人以下」の区分で
い定員 79 人以下の特養（以下「中・小規模特養」
2,868 千円も多い。これは、業者委託の契約額の
という。）に焦点を当てて、黒字施設と赤字施設
多寡のほか、赤字施設において、給食業務委託
とではどういった指標に差があるのか、経営改
率や労務業務委託率などが高いことが影響して
善に向けたポイントをひも解いていきたい。
いるのかもしれない。
従来型の中・小規模特養について、まず収益
続いて、ユニット型の中・小規模特養をみて
面をみると、赤字施設のほうが特養入所の利用
いく。収益面をみると、赤字施設のほうが 1 施
率が 1～2 ポイント、短期入所の利用率が 8～13
設当たりサービス活動収益は少ない。特に「60
ポイント低い。利用者単価は「29 人以下」と「30
人以上 79 人以下」の区分では、黒字施設との間
人以上 59 人以下」の区分で低く、1 施設当たり
でおよそ 2 千万円もの差があり、他の区分と比
サービス活動収益は、いずれの区分でもかなり
べても収益差が大きいことがわかる。特養入所・
少ないことがわかる。
短期入所の利用率が低いことにくわえて、他の
次に費用面をみると、赤字施設のほうが人件
区分よりも利用者単価が低いことが収益差につ
費率・経費率のどちらも高い。1 施設当たりサー
（図表 8）定員区分、黒字・赤字別
特別養護老人ホーム（従来型）の経営状況
29 人以下
30 人以上 59 人以下
60 人以上 79 人以下
黒字
赤字 差(赤字 黒字
赤字 差(赤字 黒字
赤字 差(赤字
(n=39) (n=51) -黒字) (n=326) (n=392) -黒字) (n=178) (n=181) -黒字)
定員数(特養入所)
(人)
△ 0.9
24.8
24.9
0.1
47.6
47.8
0.2
66.3
65.4
定員数(短期入所)
(人)
12.6
9.5
△ 3.1
12.8
12.3
△ 0.5
11.5
10.6
△ 1.0
利用率(特養入所)
(％)
△ 2.6
△ 2.3
△ 1.0
94.4
91.8
95.0
92.6
93.5
92.6
利用率(短期入所)
(％)
93.1
79.4 △ 13.7
80.0
70.4
△ 9.6
82.7
74.0
△ 8.8
(人)
特養待機登録者数
△ 3.1
△ 2.5
56.4
46.8 △ 9.6
96.0
92.9
105.1
102.6
看取りの状況(体制整備率)
(％)
△ 3.6
△ 2.4
79.5
62.7 △ 16.7
72.7
69.1
77.0
74.6
利用者単価
(円)
12,905 12,776 △ 128 12,687 12,537 △ 150 12,761 12,777
15
1 施設当たり従事者数
(人)
20.0
22.4
2.4
37.1
37.6
0.5
45.7
47.3
1.6
人件費率
(％)
59.3
71.8
12.5
62.1
71.1
9.0
62.4
69.9
7.5
経費率
(％)
24.8
29.3
4.5
28.4
30.9
2.5
28.3
31.5
3.2
サービス活動増減差額比率
(％)
11.1
△ 8.0 △ 19.1
5.4
△ 7.3 △ 12.7
5.4
△ 6.2 △ 11.6
1 施設当たりサービス活動収益 (千円) 134,232 119,597 △14,635 248,215 234,230 △13,985 322,541 311,172 △11,369
1 施設当たり人件費
(千円) 79,592 85,841
6,249 154,165 166,517 12,352 201,161 217,404 16,243
1 施設当たり水道光熱費
(千円)
81 13,873 14,824
951 18,971 19,267
296
7,387
7,468
1 施設当たり業務委託費
(千円)
750 14,908 15,029
121 18,593 21,462
2,868
5,865
6,615
給食業務（全面）委託率
(％)
11.2
△ 0.1
3.6
35.9
47.1
53.4
53.3
47.8
51.4
宿直委託率
(％)
△ 3.5
13.3
1.9
10.3
23.5
23.6
20.2
20.2
22.1
労務業務委託率
(％)
2.3
0.6
3.6
15.4
17.6
16.3
16.8
17.4
21.0
注）給食業務（全面）委託率、宿直委託率、労務業務委託率は n 数に占める委託している割合（以下同じ）
Copyright ⓒ 2024Welfare And Medical Service Agency (WAM). All rights reserved.
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