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04 参考資料1-123価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン(肺炎球菌ワクチン)ファクトシート (2 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_36630.html
出典情報 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 ワクチン評価に関する小委員会(第22回 12/1)《厚生労働省》
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23 価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン(肺炎球菌ワクチン)
ファクトシートの要約

本ファクトシートの対象疾患は、ワクチンに含まれる血清型の肺炎球菌による感染症(侵襲性感
染症と非侵襲性感染症の両方を含む)である。

疾病の特徴
わが国の 2016〜2017 年の感染症発生動向調査による 65 歳以上の高齢者における IPD の罹患率
は 4.57〜5.34(/10 万人・年)であり、届け出時点での致命率は 6.08〜6.84%である(30)。また、
2011〜2013 年に実施された国内の市中発症肺炎の疫学調査によれば、市中発症肺炎の罹患率の
推定値(95%信頼区間)は 1000 人・年あたり 16.9(13.6-20.9)である(34)。とりわけ 65 歳以上の
高齢者では 1000 人・年あたり 42.3 とされている。
また、わが国の小児に対する PCV7/PCV13 導入後にみられた成人 IPD 患者及び市中発症肺炎患
者の原因菌の血清型分布において、PCV7/PCV13 ワクチン血清型の減少と非 PCV13 血清型の増加
が認められた。小児における PCV7 導入に伴う集団免疫効果に起因すると考えられる血清型置換
が認められた。
最近のわが国の 65 歳以上の成人における IPD の原因菌の PCV13 および PPSV23 ワクチン血清型
の割合はそれぞれ 37%, 67%であった。両ワクチンのカバー率の差が 30%に広がった要因の1つ
には 2016〜2017 年に PPSV23 に含まれる血清型 12F の割合が増加したことが考えられた。一方、
2015〜2017 年における肺炎球菌性肺炎患者の原因菌の PCV13 ワクチン血清型の割合は約 33%、
PPSV23 ワクチン血清型の割合は約 50%であり、両ワクチンのカバー率の差は約 20%であった
(36,37)。
また、
非 PCV13 ワクチン血清型の割合は 2013 年度と 2016 年度の比較では 57%から 70%
に増加した。
今後も小児の PCV13 導入による間接効果により、
英国と同様に 65 歳以上の高齢者における IPD
および肺炎球菌性肺炎の原因菌の PCV13 ワクチン血清型の割合が、PPSV23 ワクチン血清型以上
に減少することが予想される(24)。引き続き、IPD および肺炎球菌性肺炎の原因菌の血清型分布
の推移を監視する必要がある。

予防接種の導入により期待される効果、安全性、医療経済学的評価等
(免疫原性)
PPSV23 初回接種の免疫原性は、PCV13 の免疫原性と同等もしくは劣ると評価されている。
PPSV23 の再接種もしくは複数回接種の免疫原性の評価では、特異 IgG 応答については初回接種
に比較して低応答を認めるとする報告もあるが、オプソニン活性の応答では同等もしくは低応答
は認めないとされている。
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