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04 参考資料1-123価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン(肺炎球菌ワクチン)ファクトシート (13 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_36630.html
出典情報 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 ワクチン評価に関する小委員会(第22回 12/1)《厚生労働省》
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② PPSV23 の再接種および複数回接種の免疫原性
わが国でも 2009 年までは禁忌とされていた PPSV23 の再接種が可能となった。2014 年には慢
性肺疾患患者における PPSV23 の初回接種と再接種時の免疫原性の成績が報告された(42)。慢性
肺疾患患者 40 人(平均 77 歳)に対して、4 血清型の血清型特異 IgG 濃度、オプソニン活性(OPA)
を初回接種前後、再接種前後について測定した。
4 血清型すべてにおいて再接種後の血清型特異的 IgG 濃度の血中ピークは初回接種後の血中
ピークを超えることはなかった。この結果は、過去に報告された PPSV23 再接種後の血清型特異
的 IgG の低応答成績と矛盾しなかった(43)。一方、血清オプソニンは 4 血清型中の 3 つで、再接
種後の血中ピークが初回接種後の血中ピークを越えており、血清オプソニンの低応答は認められ
なかったとしている。
さらに、2016 年に 70 歳以上の高齢者を対象とした PPSV23 の初回接種と再接種による免疫原
性の比較検討結果が報告された(44)
。再接種群は 5〜11 年前に PPSV23 を接種した 70 歳以上の
高齢者(161 人)を対象とし、性別、年齢、基礎疾患をマッチさせた PPSV23 未接種者を初回接
種群(81 人)とした。結果としては、両群に PPSV23 を接種し、その 4 週後の血清型特異的 IgG
およびオプソニンを測定した結果、再接種後の血清型特異的 IgG 抗体濃度及び血清オプソニン活
性の幾何平均値はいずれも初回接種後と同等であり、低応答は認められなかったとされている。
Hammitt らは PPSV23 1~4 回接種後の免疫原性について 2004 年 12 月~2006 年 4 月の期間
に PPSV23 を接種したアラスカ在住の 55~74 歳の成人 315 名を対象として報告した。初回接種群
は 123 名、2 回目接種群は 121 名、3~4 回目接種群は 71 名であった。初回接種から 6 年以上経
過した場合に 2 回目の接種を行った。著者等は、PPSV23 の複数回接種後の血清特異 IgG 抗体お
よび血清オプソニン活性の幾何平均値は、初回接種者に比較して、同等であったとしている(45)。



PCV13-PPSV23 連続接種の免疫原性
2014 年 9 月に米国 Advisory Committee on Immunization Practices; ACIP)は 65 歳以上の成

人に対する肺炎球菌ワクチン接種に関して、PCV13-PPSV23 の連続接種を推奨した(46)。この連
続接種の推奨を支持する研究として以下の免疫原性の報告がある。
60〜64 歳の肺炎球菌ワクチン未接種の成人では、PCV13 接種の 1 年後に PPSV23 を接種した場
合の 13 血清型のオプソニン活性は、PPSV23 接種 1 年後に PCV13 を接種した場合と比較して、い
ずれの血清型でも高かった(47)。また、PCV13(もしくは PCV7)接種後の PPSV23 の追加接種に
よりオプソニン活性は PCV13 単独接種の場合と同等、もしくは高かった(47-51)。
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