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費ー1参考3-2○制度見直しに関する検討(その2)について (40 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000182080_00016.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 費用対効果評価専門部会(第65回 10/4)《厚生労働省》
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医療技術の費用対効果評価
(福田 敬 国立保健医療科学院)

参考資料9

諸外国の費用対効果評価制度では医薬品を中心に実施されており、高額な医療機器を用いる医療技
術の評価は主に有効性・安全性の観点から実施されている。イギリスのNICE においては、以前はTA のプ
ログラムで外科的処置についても費用対効果を含む評価が試みられていたものの、近年では有効性・安
全性を評価するIPG での評価に移行している。フランスでも有効性・安全性の評価に留まっている。この中
で、オーストラリアのMSAC においては、費用対効果を含む評価を実施しており、興味深い。いずれの国に
おいてもまず有効性・安全性についてのエビデンスレビューを実施しているが、ここで議論されているのが、こ
のような医療技術に関して従来の方法と比較する臨床試験が限られている点である。医薬品の場合と異
なり、RCT のような比較試験が実施しにくい(特にblind 下で行うことができない)ことなどが影響している
ものと考えられる。そのため、どの国においても今後明確なエビデンスを示す研究が実施されることを求めて
いるが具体的な方法などは示されていない。また、これも医薬品の場合と異なり、医療技術においては習
熟カーブ(learning curve)の影響も議論されている。特に手術のような手技の場合にはこの点は大きく
影響するものと考えられる。従来の方法との比較が適切に行われることとともに、実際の臨床の場面を想
定して、習熟カーブがどう影響数するかを検討することも重要である。さらに、特に高額な医療機器を用い
る技術の場合には、機器の設置に係る費用をどう扱うかも課題となる。設置に係る費用の位置づけは国
によって違いがあるが、仮に機器の設置自体は特別な財源で行い、通常の診療においては運営費用だけ
の負担であれば、機器そのものの費用は考える必要がないが、設置するための費用まで考慮すると、手技
を1件実施するための平均費用は年間の実施件数に依存することになるため、これにより費用対効果も
影響されることになると考えられる。わが国においても今後このような点を考慮した評価の実施および活用
方法の議論が必要と思われる。
出所: 2021 年度厚生労働行政推進調査事業費補助金(政策科学総合研究事業)「医薬品・医療機器等の 費用対効果評価における公的分析と公的意思決定方法に
関する研究」2021年度総括研究報告書(研究代表 福田敬)2022年3月
https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/report_pdf/202101016A-sonota1.pdf

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