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報告書 本編 (25 ページ)

公開元URL https://www.npa.go.jp/bureau/cyber/what-we-do/csmeeting.html
出典情報 サイバー事案の被害の潜在化防止に向けた検討会 報告書2023(4/6)《警察庁》
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としても、被害者等に寄り添い、通報・相談者に適切な説明をして理解、納得を得ることが
必要である。また、通報・相談によって得られる情報が、未然防止対策やアトリビューショ
ン等の警察の活動において非常に重要であるという観点からも、通報・相談者の声を丁寧に
拾い上げることが警察に求められる。
他方で、サイバー事案に限らず、警察が取り扱う事象は広範かつ複雑化しており、警察に
期待する声も大きいという状況に対して、警察のリソースは有限である。そのような中で、
通報・相談者に適切に対応するためには、警察職員の対応改善に加え、3.2.2⑴で述べ
た情報発信の強化等による業務負担の軽減に確実に取り組まなければ、第一線の現場が疲弊
し、負の連鎖が発生してしまう。例えば、都道府県警察において消費生活センター等と的確
に連携するなど、他機関と適切な役割分担を行い、警察のリソースを警察にしかできない業
務に集中させるという観点も重要である。被害の潜在化防止は、都道府県警察の業務負担が
過重なものとならないよう配意しつつ進めなければならない。

以上のことを踏まえ、警察庁から都道府県警察に対し、通報・相談にはどういった視点を
持って対応すべきかを明確に示すべきである。
通報・相談者が何を望んでいるのかを丁寧に聴取しつつ、「どのように説明し対応するの
か」、
「どういった項目について聴取するのか」といった視点に関し、対応マニュアルを整備
し、過不足なく丁寧な説明や聴取ができるように備えるべきである。この際、仮に通報・相
談者が被害回復のみを望むために捜査協力が得にくい場合等も想定し、捜査や対策等に必要
な情報を取得できるような内容を盛り込む必要がある。また、マニュアルの配布対象として
は、サイバー事案担当者だけでなく、警察相談担当者や当直体制時に相談対応に当たる者と
し、これらの者が当該マニュアルに沿って適切に聴取し、対応できるようなものとすべきで
ある。
加えて、通報・相談対応する者に対する教育も定期的に実施すべきである。通報・相談対
応者の意識向上・改善に加え、デジタル資産等についての理解も進める必要があり、情報リ
テラシーの向上の観点からも、適切な通報・相談対応ができるよう警察内部での教育を行う
必要がある。
一方、通報・相談者が警察署や交番を訪問した際に、状況によっては対応できない場面も
想定されることから、警察本部によるサポート体制を整備するべきである。例えば、佐賀県
警察においては、警察本部と警察署をオンライン会議システムで繋ぎ、警察本部において警
察署等のサポートをしており、こうした事例を参考にするべきである。

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