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世界最大の胃がんゲノム解析により日本人胃がんの治療標的を同定 飲酒との関連もゲノム解析から初めて発見し新たな予防法の開発が期待 (2 ページ)

公開元URL https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2023/0314_1/index.html
出典情報 プレスリリース(2022年度)世界最大の胃がんゲノム解析により日本人胃がんの治療標的を同定(3/14)《国立がん研究センター》
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背景
胃がんは、日本における罹患者数 (2019 年)と死亡数 (2021年)がともに 3 位と上位に位置する対
策が極めて重要ながんです。(出展:国立がん研究センターがん情報サービス)
胃がんは病理組織学的には、大きく腸型(intestinal type)とびまん型(diffuse-type)に分類されます。
胃がんの治療は、内視鏡や手術による切除・細胞障害性抗がん剤治療に加えて、HER2 といったがん
遺伝子を標的とした分子標的治療薬やゲノム変異が多い症例(高度変異胃がん)に対する免疫チェック
ポイント阻害剤によって、年々予後は改善しているものの、スキルス胃がんに代表されるようなびまん型
胃がんについては未だに予後が不良で、有効な治療法の開発が望まれています。
また胃がんの発生要因としては、ピロリ菌感染並びに EB ウイルス (Epstein-Barr virus: EBV)感染
が重要なリスク因子で、特にピロリ菌感染を契機とした慢性胃炎は発がんの温床となり、炎症に伴う再
生性変化が腸型胃がんの発症と強く関連しています。一方でびまん型胃がんについては発症要因につ
いては未解明であり、予防に向けた原因解明が強く期待されています。
国際コンソーシアム(国際がんゲノムコンソーシアム:ICGC-ARGO)では、大規模ながんゲノム解析に
よって、新たな治療薬や発がん要因の同定を進める研究が行われており、日本やアジアに多いがん(胃
がん・肝臓がん・胆道がん)については、これまで日本の研究チームから多くの研究成果を発表していま
す。
研究方法・研究結果
世界最大の胃がんゲノム解析
国際がんゲノムコンソーシアムにおける国際共同研究により、日本人胃がん症例 697 症例と、米国
(442 症例)・中国 (217 症例)・韓国 (52 症例)・シンガポール(49 症例)における胃がんゲノムデータと合
わせて総計 1,457 例となる世界最大の症例コホートを用いて全エクソン解読 (1,271 症例)並びに全ゲ
ノム(172 症例)解読、RNA シークエンス解析 (895 症例)解析を実施しました。
表 1:本研究で解析した胃がん症例数
コホート別
日本人コホート(国立がん研究センター・東京大学・横浜市立大学)

697 症例

米国 TCGA(注 5)コホート

442 症例

中国コホート

217 症例

韓国コホート

52 症例

シンガポールコホート

49 症例
1,457 症例

合計
解析方法別

172 症例

全ゲノム解析

1,271 症例

全エクソン解析
RNA シークエンス解析(注)

895 症例

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