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2021年度(令和3年度)医療法人の経営状況について (7 ページ)

公開元URL https://www.wam.go.jp/hp/keiei-report-r4/
出典情報 2021年度(令和3年度)医療法人の経営状況について(3/3)《福祉医療機構》
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2022-012

おわりに

なった。また、経常利益率は 5.4%と 2.2 ポイン
ト上昇し、赤字法人割合は 23.6%と 9.0 ポイン

2021 年度の医療法人の経営状況は、前年度よ

ト縮小した。病院主体法人、老健主体法人と同

り事業利益率、経常利益率ともに上昇し、多く

様に、経営状況の改善がうかがえる。

の法人で経営状況が改善したことがうかがえる。

ただし、事業収益の増加に伴い各費用率が低

一方、事業収益規模が比較的小さい法人は依

下するなかでも、経費率は上昇していた。大幅

然として約 3 割が赤字であり、また、病院主体

な上昇ではないものの、今後の物価高騰の影響

法人の経常利益率の分布をみると、差が拡大し

を受けてさらに費用がかさむことも見据え、定

ていることが確認された。コロナの流行が始ま

期的な経費の見直しが必要となると考えられる。 ってから相当程度経過し、補助金の下支えもあ
って経営状況が改善された法人と、未だ厳しい

(図表 9)診療所主体法人の 2020・2021 年

状況にある法人とに二極化しつつあると推察さ

度の経営状況(2 か年度同一法人)

れる。
加えて、前述のとおりコロナ関連の補助金が

n=488




2020 年度

2021 年度

見直されたほか、物価高騰も深刻な課題となっ

差(2021
-2020)

ており、今後、医療法人の経営を取り巻く環境

従事者数



58.3

60.9

2.7

事業収益

千円

559,730

634,584

74,855

はいっそう厳しくなるものと思料される。前年

事業費用

千円

551,716

607,150

55,434

度を振り返り、今後の見通しを立てる際の一助

事業利益

千円

8,014

27,435

19,421

人件費率



43.5

42.0

△1.5

医療材料費率



11.3

9.8

△1.5

給食材料費率



0.4

0.4

0.0

最後になるが、引き続くコロナ対応のなか、

経費率



39.6

40.1

0.4

事業報告において正確なデータを提出いただけ

減価償却費率
事業利益率



3.7

3.4

△0.3



1.4

4.3

2.9

経常利益率



3.1

5.4

2.2

経常収益対
支払利息率



0.5

0.4

△0.1

従事者 1 人当たり
千円
事業収益

9,603

10,412

810

従事者 1 人当たり
千円
人件費

4,179

4,374

194

流動比率



304.3

289.5

△14.9

純資産比率



24.0

27.0

2.9

借入金比率



57.7

50.4

△7.3

赤字法人割合



32.6

23.6

△9.0

として、本稿が少しでも参考となれば幸いであ
る。

たことで、今回の分析を行うことができた。担
当者および関係者にこの場を借りて謝意を表す
る。

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