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資料3-9-② 森本先生提出資料 (14 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00395.html
出典情報 新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(第116回 2/8)《厚生労働省》
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3 回接種の入院予防の有効性に関して、接種後 7~119 日では 73% (95% 信頼区間: 51~64%)、接種後
120 日以降では 32% (26~38%)、4 回接種から 7 日以降では 80% (71~85%)と推定されている (13)。本報
告では、接種からの日数を分けての解析はできていないが、解析に含まれる研究対象者の接種からの
日数を考慮すると、英国、米国との研究と同等の結果と考える。
本報告は本サーベイランス研究の暫定結果であり、2022 年 1 月 1 日から 9 月 30 日においても今回
の報告で集計できていない研究対象患者情報も多数あるため、今後の患者情報の蓄積と解析により変
動する見込みである。
6.

制限
本報告にはいくつかの制限がある。1 つ目は、対象患者が 2022 年 1 月 1 日から 9 月 30 日の全国 11

か所の医療機関に限られており、現時点ではサンプルサイズが極めて限定的である。2 つ目は、現在日
本では医療機関において受診者のワクチン接種歴を正確な記録として確認できるシステムは整備され
ていないため、接種歴は主に患者 (または患者家族)に対する問診で得られた記録を基にしており、思
い出しバイアスの影響を否定できない。正確なワクチン接種日が不明な患者については、「接種日」の
推計方法を複数定めた感度分析を行ったが、調整オッズ比の変動は小さく、一定の妥当性は担保され
ていると考える。3 つ目は、新型コロナウイルス検査には限界があり、症例・対照の誤分類は否定できな
い。4 つ目は、本研究において陽性例の新型コロナウイルスゲノム解析を行っていないため、各ウイル
ス株に対する正確なワクチンの有効性を算出することは現時点では不可能である。5 つ目は、現在新型
コロナワクチン未接種者が少なく、サンプルサイズが限られてしまうため、結果の解釈には注意が必要
である。6 つ目は、ワクチン接種後からの日数を区切っての解析は行っておらず、最終接種からの時間
経過の影響を評価していない。
本報告は 2023 年 2 月 2 日時点の暫定結果であり速報値であるが、公衆衛生学的に意義があると判
断して報告した。今後も研究を継続し経時的な評価を行うなかで、公衆衛生学的な意義を鑑みつつ結
果について共有する予定である。
7.

注釈

1) CURB-65 (9)
意識レベルの異常、尿素窒素値>20 mg/dl、呼吸回数≧30 回/分、収縮期血圧<90 mmHg、年齢 65 歳
以上をそれぞれ 1 点とし、合計点が 0~1 点は軽症、2 点は中等症、3 点以上を重症と定義する。
国内の臨床現場では、呼吸状態を評価する際に、呼吸回数ではなく、酸素飽和度 (SpO2)や酸素投与
の必要性を使用することが多いため、本研究では呼吸回数≧30 回/分に加え、SpO2<90%または酸素投
与が必要な場合も 1 点とした。

2) 慢性心疾患、慢性呼吸器疾患、肥満 (BMI≧30)、悪性腫瘍 (固形癌または血液腫瘍)、糖尿病、慢
性腎不全、透析、肝硬変、免疫抑制薬の使用、妊娠
3) 本研究での重症度分類 (WHO clinical progression scale (11)を参照にして作成)
入院した新型コロナウイルス感染症患者において、表 7 の重症度 6 点以上を重症、それ以外を非重症
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