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医薬品・医療機器等安全性情報395号 (9 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/iyaku/index.html
出典情報 医薬品・医療機器等安全性情報395号(9/27)《厚生労働省》
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〔症例概要〕
患者

副作用

1日投与量
投与期間

No.

性・
年齢



女 直腸癌
300mg
血栓性微小血管症
70代 (右肺残存下 (1クール) 既往歴:B型肝炎、高血圧
葉多発転移)
投与開始
直腸癌(Rs,T3(SS)N1M0,pStageIIIa,R0,pCurA)と
約14年5ヵ月前 診断。
投与開始
転移性肺癌に対し,XELOX療法にて治療(2コース)。その
約6年10 ヵ月前 後,カペシタビン単剤投与。
投与開始
mFOLFOX6療法+ベバシズマブの投与開始。
約2年7ヵ月前 その後,4コース目よりフルオロウラシル+レボホリナート
+ベバシズマブ治療実施(計22コース)。
投与開始
肺転移巣の増大。
約1 ヵ月前
投与開始前日 赤血球:4,280,000/μL,ヘモグロビン:12.3g/dL,血小板:
241,000/μL,eGFR:58.8mL/min,尿蛋白:+投与開始日 再発直腸癌に対し,FOLFIRI療法+本剤300mgの投与開始。
(本剤最終投与日)
その後,Grade1の食欲不振,疲労感発現および下痢の症状
あり。
投与16日後 下腿浮腫を自覚。
その際,声の変調,息苦しさあり。
投与16-24日の間 血圧:165/90mmHg,心拍数:102/min。体重が7kg増加し,
50.2kg。
投与24日後 高度の浮腫,蛋白尿を認め,ネフローゼ症候群の疑いと診断。
原因精査目的で緊急入院。フロセミド40mgおよびアゾセミ
ド60mgの投与開始。
赤血球:4,010,000/μL,ヘモグロビン:11.1g/dL,血小板:
95,000/μL,eGFR:38.0mL/min,尿蛋白:4+,破砕赤血球:
3%,血圧:141/88mmHg,体重:49.8kg。
投与27日後 赤血球:3,740,000/μL,ヘモグロビン:10.6g/dL,血小板:
77,000/μL,eGFR:36.8mL/min,尿蛋白:4+
投与29日後 薬剤性ネフローゼ症候群疑いにて,腎生検実施。実施時にア
ゾセミド60mg,アトルバスタチンカルシウム水和物10mgの
投与あり。
腎 生 検, 蛍 光 抗 体 法 所 見:IgA: ±,IgG: ±,IgM:+,
Fib:+-,C3:-,C4:1+,C1q:±。腎生検,組織学的所見:
皮質対髄質比は9:1。総糸球体:16個。フィブリン染色で陽
性を示す血栓が糸球体係蹄で確認。
係蹄内皮細胞の腫大,メサンギウム基質の増加,糸球体係蹄
膜の二重化を認め,尿細管間質の変化は軽度(局所的なリン
パ球細胞浸潤あり)
。血管内皮下にフィブリン析出をともな
う動脈内膜の肥厚を認めた。
ヘモグロビン:11.1g/dL,血小板:95,000/μL,eGFR:39.7
mL/min,尿蛋白:4+,ハプトグロビン:<10,破砕赤血球:
5%,血圧:141/81mmHg,体重:47.9kg
投与30日後 スピロノラクトン25mg投与開始。
赤 血 球:3,680,000/μL,ヘ モ グ ロビ ン:10.7g/dL,血 小 板:
80,000/μL,eGFR:36.8mL/min, 尿 蛋 白:4+, 血 圧:155/
83mmHg,体重:46.8kg
投与31日後 テルミサルタン20mg投与開始。
投与34日後 赤血球:3,470,000/μL,ヘモグロビン:10.0g/dL,血小板:
124,000/μL,eGFR:45.1mL/min
投与37日後 投与29日目に実施した腎生検の結果では血栓性微小血管障
害(TMA)の所見に矛盾なく,本剤投与にともなう薬剤性
TMAおよびTMAによる薬剤性ネフローゼ症候群と診断。レ
ニンアンジオテンシン系阻害薬で保存加療。
赤 血 球:3,490,000/μL, ヘ モ グ ロ ビ ン:9.8g/dL, 血 小 板:
196,000/μL,eGFR:47.0mL/min,尿蛋白:3+,血圧:166/
82mmHg,体重:42.5kg
投与38日後 薬剤性ネフローゼ症候群は回復。
投与39日後 テルミサルタン40mgに増量投与開始。退院。
投与51日後 赤血球:4,140,000/μL,ヘモグロビン:11.6g/dL,血小板:
304,000/μL,eGFR:33.0mL/min,尿蛋白:1+
投与79日後 薬剤性TMAは回復。

使用理由
(合併症)

医薬品・医療機器等安全性情報

No.395

経過及び処置

-9-

2022年9月