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「ゲノム医療施策に関する基本的な計画」(令和7年11月)に関する意見書 (3 ページ)
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| 出典情報 | 「ゲノム医療施策に関する基本的な計画」(令和7年11月)に関する意見書(7/22)《日本医学会・日本医学会連合》 |
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カウンセリング実施に関するガイダンス」(日本人類遺伝学会・日本遺伝カウンセリング学会、2025 年 10
月)では、遺伝医療を「遺伝診療(診断・治療)」と「遺伝カウンセリング(適応支援)
」に明確に分けて
整理している。遺伝医療のうち遺伝診療(診断・治療)の位置づけが、検体検査判断料ではなく、医学管
理等の区分に移行したことは、今後のゲノム医療推進のために貴重な第一歩ではあるが、「遺伝カウンセ
リング」は、決して「療養指導」ではないことから、ゲノム医療推進のためには、「遺伝カウンセリング」を
早急に診療報酬として認める必要がある。さらに「遺伝カウンセリング」という極めて重要な表現が診療
報酬点数表からなくなっていることは、ゲノム医療推進法の方針に逆行している由々しき事態である。
5.ゲノム情報の利活用を支える法制度の整備
より良いゲノム医療の実現や革新的な医療開発を行うためには、診療現場に過度な負担なく高精度か
つ大量データを精緻に収集し、利活用可能とする体制を構築する必要がある。しかし、ゲノム情報・臨
床情報の利活用について、個人情報保護法の枠組みの中では限界がある。そのためゲノムデータの特性
(家系共有性・予測性)を踏まえ、研究情報の二次利用や匿名加工情報の医療応用を可能とするゲノム
情報を含めた医療情報全体の取り扱いを定める特別法制定の検討を開始すべきである。あわせて、オー
プンサイエンスの理念に基づいた法制度の整備が求められる。
また、ゲノム情報の研究・臨床における適正かつ円滑な利活用を進めるためには、法制度の整備にと
どまらず、国の責任の下で、領域横断的かつ二次利用にも対応した研究・情報基盤を整備することが必
要である。国は、がん・難病のみならず、生殖医療、周産期、小児、精神神経、運動器、感覚器、内分
泌、代謝、アレルギー等の多様な領域にまたがる情報を連結しうる基盤の構築を進め、既存の大規模バ
イオバンクや臨床研究データとの連携をさらに推進すべきである。とりわけ AI 技術のゲノム情報への
適用は近年急速に進展しており、データの国外流出、匿名性が破られる再識別リスク、結果に至った過
程の説明可能性、責任の所在等を含め、迅速かつ継続的な制度的対応が求められる。
6.国民・患者・当事者を含む協働的ガバナンス体制の整備
基本計画の中では「理解促進」や「セミナー開催」等が挙げられているが、これでは一方向的な啓発
にとどまり、国民の主体的参画による合意形成とは言い難い。当事者や市民が政策形成・指針策定プロ
セスに参加する協働型の倫理的ガバナンス体制の構築が必要である。現在、研究倫理審査委員会や審議
会等においては、当事者や市民の参加が一部で実施されているが、これらを形式的な関与に留めず、制
度的に位置づけた持続的参画の仕組みとすることが不可欠である。欧州等における制度的先行事例
(例:ELSI 委員会における患者代表の継続的参加)も参考としつつ、国内の取り組みを制度的に強化
する政策設計が求められる。
【おわりに】
本意見書は、単なる理念的提言ではなく、我が国におけるゲノム医療を安全に、公平に、持続的に発
展させるための制度設計の提案である。日本医学会・日本医学会連合は、国民が安心してゲノム医療の
恩恵を享受できる社会の実現に向け、本意見書の内容が速やかに政策に反映されることを強く要望す
る。
月)では、遺伝医療を「遺伝診療(診断・治療)」と「遺伝カウンセリング(適応支援)
」に明確に分けて
整理している。遺伝医療のうち遺伝診療(診断・治療)の位置づけが、検体検査判断料ではなく、医学管
理等の区分に移行したことは、今後のゲノム医療推進のために貴重な第一歩ではあるが、「遺伝カウンセ
リング」は、決して「療養指導」ではないことから、ゲノム医療推進のためには、「遺伝カウンセリング」を
早急に診療報酬として認める必要がある。さらに「遺伝カウンセリング」という極めて重要な表現が診療
報酬点数表からなくなっていることは、ゲノム医療推進法の方針に逆行している由々しき事態である。
5.ゲノム情報の利活用を支える法制度の整備
より良いゲノム医療の実現や革新的な医療開発を行うためには、診療現場に過度な負担なく高精度か
つ大量データを精緻に収集し、利活用可能とする体制を構築する必要がある。しかし、ゲノム情報・臨
床情報の利活用について、個人情報保護法の枠組みの中では限界がある。そのためゲノムデータの特性
(家系共有性・予測性)を踏まえ、研究情報の二次利用や匿名加工情報の医療応用を可能とするゲノム
情報を含めた医療情報全体の取り扱いを定める特別法制定の検討を開始すべきである。あわせて、オー
プンサイエンスの理念に基づいた法制度の整備が求められる。
また、ゲノム情報の研究・臨床における適正かつ円滑な利活用を進めるためには、法制度の整備にと
どまらず、国の責任の下で、領域横断的かつ二次利用にも対応した研究・情報基盤を整備することが必
要である。国は、がん・難病のみならず、生殖医療、周産期、小児、精神神経、運動器、感覚器、内分
泌、代謝、アレルギー等の多様な領域にまたがる情報を連結しうる基盤の構築を進め、既存の大規模バ
イオバンクや臨床研究データとの連携をさらに推進すべきである。とりわけ AI 技術のゲノム情報への
適用は近年急速に進展しており、データの国外流出、匿名性が破られる再識別リスク、結果に至った過
程の説明可能性、責任の所在等を含め、迅速かつ継続的な制度的対応が求められる。
6.国民・患者・当事者を含む協働的ガバナンス体制の整備
基本計画の中では「理解促進」や「セミナー開催」等が挙げられているが、これでは一方向的な啓発
にとどまり、国民の主体的参画による合意形成とは言い難い。当事者や市民が政策形成・指針策定プロ
セスに参加する協働型の倫理的ガバナンス体制の構築が必要である。現在、研究倫理審査委員会や審議
会等においては、当事者や市民の参加が一部で実施されているが、これらを形式的な関与に留めず、制
度的に位置づけた持続的参画の仕組みとすることが不可欠である。欧州等における制度的先行事例
(例:ELSI 委員会における患者代表の継続的参加)も参考としつつ、国内の取り組みを制度的に強化
する政策設計が求められる。
【おわりに】
本意見書は、単なる理念的提言ではなく、我が国におけるゲノム医療を安全に、公平に、持続的に発
展させるための制度設計の提案である。日本医学会・日本医学会連合は、国民が安心してゲノム医療の
恩恵を享受できる社会の実現に向け、本意見書の内容が速やかに政策に反映されることを強く要望す
る。