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資料1-2-12診断基準等のアップデート案(第49回指定難病検討委員会資料) (61 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25626.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第49回 5/16)《厚生労働省》
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225 先天性腎性尿崩症
○ 概要
1.概要
腎臓の腎尿細管細胞の抗利尿ホルモンに対する感受性が低下して、尿の水分の再吸収が障害される。
その結果、尿濃縮障害が惹起され、多尿を呈する疾患。
2.原因
先天性(遺伝性)腎性尿崩症は、腎臓の尿細管細胞の抗利尿ホルモンの2型受容体の遺伝子異常が大
半を占め、X 連鎖性潜性遺伝(劣性遺伝)を呈する。まれなものとして、尿細管の抗利尿ホルモン感受性ア
クアポリン水チャネル遺伝子異常も報告されており、これは常染色体潜性遺伝(劣性遺伝)を呈する。
3.症状
患者の年齢により症状が異なる。代表的には以下のような症状がある。
(1)胎児期:母体の羊水過多。
(2)新生児期:生後数日頃から、原因不明の発熱及びけいれんを来す。血中ナトリウムが高値を示す。
(3)幼児期~成人:多飲・多尿。
4.治療法
現時点では根治治療は困難である。経験的にサイアザイド系利尿薬や、それに加えてインドメタシンなど
の非ステロイド系抗炎症薬が併用されているが十分な効果は得られていない。軽症の腎性尿崩症では、抗
利尿ホルモンによってある程度尿量を減少させることが可能と考えられている。
5.予後
以下にあげる合併症を来す。最も重要な合併症は、新生児期・乳児期の高度な高ナトリウム血症と脱水
による中枢神経障害である。適切な治療を早期に行わなかった場合、知能障害を残す。また、多尿に伴
い、水腎症・水尿管や巨大膀胱など尿路系の拡張が発生し、その結果、逆流性腎症さらに腎不全にいたる
例もある。手術時に血中ナトリウムの調節が困難となり、死亡した症例も報告されている。

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