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人口戦略会議・最終アピール(2025年8月26日) (2 ページ)

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出典情報 人口戦略会議・最終アピール(8/26)《人口戦略会議》
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【現状に対する認識―人口戦略のスタートラインに立ったばかり】
・それでは、現状はどうか。政府は、少子化に対する危機感を明らかにし、2023 年 12 月に
「2030 年までがラストチャンスである」として総合的な少子化対策を決定した(こども未来戦
略)。これは、予算規模や内容において、まさに『次元の異なる少子化対策』として高く評
価したい。また、2025 年 6 月に決定された「地方創生 2.0 基本構想」は、人口減少が続く
事態を正面から受け止め、「若者や女性にも選ばれる地方」づくりを進めるなど、地方創
生の新たな展開として期待したい。
しかし、総じて見るならば、本格的な人口戦略の展開という点では、まだスタートラインに
立ったばかりであり、“まさに、これから”という言葉に尽きる。

【最終アピール:5 つの提言】
・このたび、本会議は当初予定どおり 2 年間の活動を修了するが、終了に際して国民各層
に向けて、以下の 5 つの提言を行うことをもって、本会議の最終アピールとしたい。

1.“根拠なき楽観論”と“戦略と実行なき悲観論”は、ともに排除されるべき
・まず、人口減少問題に対する基本姿勢である。この問題に対する様々な見解の中には、
「なんとかなるだろう」という意見と、逆に「もうどうしようもない」という意見の両方の極論が
併存している観がある。前者は正確な事実認識に基づかない、いわば“根拠なき楽観論”
である。一方、後者も、これまでの少子化対策を見ると、官民が総力をあげて戦略的に取
り組んだとは到底言えない点において、“戦略と実行なき悲観論”と言わざるを得ない。こ
の両極論はともに排除されるべきである。私たちは事実に即した冷静かつ客観的な議論
を行うとともに、この問題が短時間で容易に解決するものでないことも理解した上で、決し
て諦めることなく中長期的な視点から粘り強く取り組んでいくことが求められる。

2.「定常化戦略」と「強靭化戦略」は、同時に推進されるべき“車の両輪”
・本会議の「人口ビジョン 2100」では、人口が急激に減少しつづける状態から脱却する「定
常化戦略」と、現状よりは小さい人口規模でも多様性に富んだ成長力のある社会を構築
する「強靭化戦略」の同時一体的な推進を提言している。ここで強調したいのは、両戦略
はともに重要であるという点である。これに関しては、人口減少の動向を変えるのは困難
であり、人口減少を前提とした戦略の方に力を注ぐべきという意見も散見される。しかし、
今後の人口減少が社会経済全般に及ぼす影響の大きさを過小に考えてはならない。この
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