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2025年07月30日 オミクロン株期のコロナ後遺症診療~半数以上で180日以上の長期通院が必要~ (2 ページ)

公開元URL https://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id1414.html
出典情報 岡山大学 プレスリリース(7/30)《岡山大学》
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PRESS RELEASE

■発表内容
新型コロナ罹患後症状、いわゆる「コロナ後遺症」では、さまざまな症状を呈しますが、その病態の詳細
は未だ解明されていません。岡山大学病院のコロナ・アフターケア(CAC)外来では、2021 年 2 月 15 日の
開設からこれまで 1200 人を超える新型コロナ後遺症患者を診療してきました。本研究では現在主流とな
っているオミクロン株の感染者について、通院期間の解析により、症状の長期化に関わる因子とその臨床
的特徴について検討しました。

図 1:コロナ後遺症患者の外来通院期間とその割合(オミクロン株期以降の感染)
<研究の内容>
岡山大学の研究グループは、コロナ後遺症で CAC 外来を受診した患者のうち、オミクロン株感染によ
る後遺症患者を対象として、通院期間の調査を行いました。初診日から起算して通院期間が 180 日未満
の患者を早期回復群(Early Recovery 群:ER 群)、180 日以上の患者を持続症状群(Persistent Symptom
群:PS 群)に分けて、それぞれの臨床上の特徴を比較する研究を行ったところ、2022 年 2 月から 2024 年
10 月までの間に CAC 外来を受診したオミクロン株の新型コロナウイルス罹患後症状(コロナ後遺症)患
者 774 人のうち、長期通院した PS 群は 404 人(52.2%)、早期回復した ER 群は 370 人(47.8%)でした(図
1)。
男女比では、ER 群は女性:47.3%、男性:52.7%であるのに対し、PS 群は女性:59.4%、男性:40.6%、と、
PS 群で女性の比率が高くなっていました。年齢では ER 群 40 歳、PS 群 42 歳と男女による大きな差はみ
られず、ワクチン接種回数にも統計的な差はみられませんでした。PS 群の女性には、ER 群に比べて倦怠
感、睡眠障害、記憶障害、しびれの症状が多くみられ、PS 群の男性では、倦怠感、頭痛の症状が多く、い
ずれも統計学的な有意差を認めました(図 2)。

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