よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


多能性幹細胞から尿管組織を作ることに成功~移植可能な腎臓オルガノイドへの応用に期待~ (1 ページ)

公開元URL https://www.kumamoto-u.ac.jp/daigakujouhou/kouhou/pressrelease/2025_file/release250623.pdf
出典情報 熊本大学 生命科学先端研究 プレスリリース(6/23)《熊本大学》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

令 和 7 年 6 月 23 日

報道機関

各位
熊本大学

多能性幹細胞から尿管組織を作ることに成功
~移植可能な腎臓オルガノイドへの応用に期待~
(ポイント)
多 能 性 幹 細 胞 * 1 から尿 管 間 質 の前 駆 細 胞 への誘 導 法 を確 立 した。
誘 導 した尿 管 間 質 の 前 駆 細 胞 を尿 管 上 皮 の前 駆 細 胞 と組 み合 わせることで尿
管 オルガノイド * 2 の作 成 に成 功 した。
作 成 した尿 管 オルガノイドは尿 管 疾 患 の病 態 解 明 や移 植 可 能 な腎 臓 オルガノイ
ド作 成 への応 用 が期 待 される。

(概要説明)
尿 管 * 3 は腎 臓 で生 成 された尿 の出 口 を構 成 し、腎 臓 が機 能 を果 たすために必 須
の臓 器 です。尿 管 は上 皮 とそれを取 り囲 む間 質 で構 成 されており、これらの前 駆 細
胞 が相 互 作 用 を繰 り返 し発 生 します。この2つの構 成 組 織 のうち尿 管 上 皮 の前 駆 細
胞 (尿 管 芽 )を多 能 性 幹 細 胞 (マウスES細 胞 * 4 やヒトiPS細 胞 * 5 )から人 為 的 に誘 導
する方 法 は熊 本 大 学 発 生 医 学 研 究 所 の西 中 村 隆 一 教 授 の研 究 グループをはじめ
複 数 報 告 されていましたが、尿 管 間 質 の前 駆 細 胞 を誘 導 する方 法 は世 界 的 に見 て
も確 立 されていませんでした。今 回 同 グループの大 学 院 生 伊 比 裕 太 郎 さんらは、こ
の尿 管 間 質 の 前 駆 細 胞 を 多 能 性 幹 細 胞 から誘 導 する方 法 を 開 発 しました。さら に
誘 導 した尿 管 間 質 前 駆 細 胞 を、マウス胎 仔 由 来 の 尿 管 上 皮 や多 能 性 幹 細 胞 から
誘 導 した尿 管 芽 と 組 み合 わせ ることで、人 工 的 に尿 管 組 織 (尿 管 オルガノ イド) を
再 構 成 することに成 功 しました。
本 研 究 は、尿 管 という腎 臓 からの尿 排 泄 に必 須 となる構 造 を試 験 管 内 で多 能 性
幹 細 胞 から構 築 することに成 功 した初 めての報 告 です。この技 術 を腎 臓 オルガノイド
と組 み合 わせれば、尿 が作 られて出 ていくという臓 器 本 来 の機 能 を持 った移 植 用 の
腎 臓 を作 るという次 世 代 の再 生 医 療 に向 け大 きな前 進 となります。また、尿 管 疾 患
の病 態 解 明 と創 薬 開 発 に繋 がることも期 待 されます。