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財政制度等審議会・財政制度分科会の資料に対する見解 (3 ページ)
出典
公開元URL | https://www.jcma.or.jp/wp-content/uploads/250512_kenkaisyo.pdf |
出典情報 | 財政制度等審議会・財政制度分科会の資料に対する見解(5/12)《日本介護支援専門員協会》 |
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し、居宅サービス計画を作成するとともに、サービス事業者等との連絡調整を行う」(厚生労
働省)ものであり、介護保険制度内のサービスにとどまらず、医療・保健・福祉等の多様なサ
ービスやインフォーマルサービスを含め、調整を主たる業務とする居宅介護支援を介護サ
ービスと同列の支援と見做すことに無理がある。例えていうならば、居宅介護支援によっ
てケアプランが作成され、利用者に必要な介護サービスを受ける環境が整い、そのケ
アプランに沿って、各介護サービス事業者等が相互調整を行い効率的に介入すること
で、自立支援の効果が発生する。よって直接の支援を提供する介護サービス等には自
己負担を支払う動機が存在するが、それに至るための居宅介護支援は「多様なサービ
ス提供主体により総合的かつ効率的に提供される」ためのセーフティネットとして、
全ての利用者が公平に過不足なく支援を受けられる環境を維持していくことが重要
である。このことは介護保険制度、ひいては社会保障制度の理念の根幹であると考え
る。この理念に照らし合わせて、居宅介護支援・介護予防支援によるケアマネジメントに
他のサービス同様に自己負担を導入することで、過不足ない公正中立な支援を展開してい
る介護支援専門員によるサービス調整に支障を来すことになることや、ケアマネジメントを経
ず介護サービスを利用せず、社会的入院や高齢者向け集合住宅を含め施設入所や囲い
込みがさらに助長される可能性も生じる懸念も生じ、逆に介護状態の重度化や介護給付費
が増加するリスクが伴う施策である。
また、ケアマネジメントの質の評価に関連し、「保険者によるケアマネジメントの
質の評価とあわせて、利用者自身が自己負担を通じてケアプランの質に関心を持つ仕
組みとする必要。」との指摘が行われているが、平成 30 年度に実施された「居宅介護
支援事業所及び介護支援専門員の業務等の実態に関する調査研究事業報告書」では、
利用者を対象とする調査が実施され、ほとんどの利用者は費用負担がなくてもサービ
スや事業所の選択を行うなど、自身の社会資源の選択に対する関心もあり利用者が決
定権を持っていることが示されている。利用料を払うことで介護支援専門員の業務の
質を適切に判断し、介護保険サービスの選択を含め公正中立な立場でケアマネジメン
トに資することは、必ずしも直接的なつながりを持つとは限らない。居宅介護支援に
おける介護支援専門員の業務は、利用者の自立支援を念頭においた総合的・効率的な
ケアマネジメント支援である。利用者のチェック機能は費用負担の有無に関わらず、
利用者自身が自己の生活の質に関わることとして既に意識されている。今回の指摘は
過去の経年的な様々な調査結果を軽視し現実と乖離していると言わざるを得ず、利用
者による介護支援専門員の業務の質のチェックのあり方については、保険者機能の充
実などを図り、各事業所へのチェック機能を強化させ、利用者に更なる負担を課すこ
との無いように慎重に検討すべきと考える。
以上
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働省)ものであり、介護保険制度内のサービスにとどまらず、医療・保健・福祉等の多様なサ
ービスやインフォーマルサービスを含め、調整を主たる業務とする居宅介護支援を介護サ
ービスと同列の支援と見做すことに無理がある。例えていうならば、居宅介護支援によっ
てケアプランが作成され、利用者に必要な介護サービスを受ける環境が整い、そのケ
アプランに沿って、各介護サービス事業者等が相互調整を行い効率的に介入すること
で、自立支援の効果が発生する。よって直接の支援を提供する介護サービス等には自
己負担を支払う動機が存在するが、それに至るための居宅介護支援は「多様なサービ
ス提供主体により総合的かつ効率的に提供される」ためのセーフティネットとして、
全ての利用者が公平に過不足なく支援を受けられる環境を維持していくことが重要
である。このことは介護保険制度、ひいては社会保障制度の理念の根幹であると考え
る。この理念に照らし合わせて、居宅介護支援・介護予防支援によるケアマネジメントに
他のサービス同様に自己負担を導入することで、過不足ない公正中立な支援を展開してい
る介護支援専門員によるサービス調整に支障を来すことになることや、ケアマネジメントを経
ず介護サービスを利用せず、社会的入院や高齢者向け集合住宅を含め施設入所や囲い
込みがさらに助長される可能性も生じる懸念も生じ、逆に介護状態の重度化や介護給付費
が増加するリスクが伴う施策である。
また、ケアマネジメントの質の評価に関連し、「保険者によるケアマネジメントの
質の評価とあわせて、利用者自身が自己負担を通じてケアプランの質に関心を持つ仕
組みとする必要。」との指摘が行われているが、平成 30 年度に実施された「居宅介護
支援事業所及び介護支援専門員の業務等の実態に関する調査研究事業報告書」では、
利用者を対象とする調査が実施され、ほとんどの利用者は費用負担がなくてもサービ
スや事業所の選択を行うなど、自身の社会資源の選択に対する関心もあり利用者が決
定権を持っていることが示されている。利用料を払うことで介護支援専門員の業務の
質を適切に判断し、介護保険サービスの選択を含め公正中立な立場でケアマネジメン
トに資することは、必ずしも直接的なつながりを持つとは限らない。居宅介護支援に
おける介護支援専門員の業務は、利用者の自立支援を念頭においた総合的・効率的な
ケアマネジメント支援である。利用者のチェック機能は費用負担の有無に関わらず、
利用者自身が自己の生活の質に関わることとして既に意識されている。今回の指摘は
過去の経年的な様々な調査結果を軽視し現実と乖離していると言わざるを得ず、利用
者による介護支援専門員の業務の質のチェックのあり方については、保険者機能の充
実などを図り、各事業所へのチェック機能を強化させ、利用者に更なる負担を課すこ
との無いように慎重に検討すべきと考える。
以上
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