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医療機器感染症定期報告感染症別文献一覧表 (2 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190382_00016.html
出典情報 薬事・食品衛生審議会 医療機器・再生医療等製品安全対策部会(令和5年度第2回 3/7)《厚生労働省》
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ID

感染症(PT)

出典

概要

ウイルス性心筋 Scientific Reports.

13(2023)592

脳心筋炎ウイルス(Picornaviridae, Cardiovirus A)は、心筋炎、脳炎、生殖障害などを
引き起こす同名疾患の原因ウイルスであり、特にブタに好発することが知られている。
本疾患は1997年以降、養豚場で風土病的に発生していたが、最近、北イタリアで死亡
例が増加したことから、ウイルスの進化と実際の感染拡大についてさらに詳しく調査す
ることとなった。2013年から2019年にかけて収集されたイタリアの脳心筋炎ウイルス
(EMCV)は、全体的に抗原安定性を示した。7つの異なる抗原部位の変化を明らかに
することができる、自社開発のELISAモノクローナル抗体に基づいて、検討したサンプ
ルでは散発的かつ時折の変異のみが示され、その後の系統解析により抗原パネルが
確認された。すべての分離株は、他の欧州の株を含む独自の系統に分類され、現在イ
タリアで流通しているウイルスは、独自の共通祖先から発生したことが確認された。ウ
イルスの安定性は証明されたものの、抗原プロファイル解析と系統樹により、新たに出
現したと思われる変異体がいくつか検出された。最後に、血清調査により、EMCVの無
症状の循環により、致死性感染の拡散が示唆するよりも、EMCVが広く拡散されている
ことが証明された。また、過去のデータと比較すると、血清陽性の農場の割合が増加し
ていた。イタリアの変異株と密接に関連する菌株の人獣共通感染症の可能性と、ヒトと
継続的に接触する家畜の無症状の循環が実証されていることから、EMCVは特別な警
戒が必要である。

カンピロバクター Acta Tropica.
感染
237(2023)106702

カンピロバクター属菌は、世界中で最も一般的な細菌性胃腸炎の原因であることが示
されている。ヒトカンピロバクター感染症の症例は通常、散発的に報告され、アウトブレ
イクに含まれないため、感染源の特定が困難である。ナイジェリアにおけるヒトカンピロ
バクター感染症の感染源を特定するために、ナイジェリアにおける分離株集団内の関
係の研究と、ナイジェリアのヒトカンピロバクター属菌と他の動物分離株の感染源帰属
分析が実施された。その結果、屠殺場、農場、生鳥市場から分離されたヒトと家畜の両
方に共通する9つの配列型(ST)が示され、同様のSTが系統樹上で一緒にクラスター
化し、ある程度の遺伝的類似性が確認された。感染源帰属分析によると、ナイジェリア
におけるヒトのカンピロバクター感染の最も重要な感染源は野鳥(38%)で、次いでニワ
トリ(23%)、ブタ(19%)、ウシ(11%)、ヒツジ(8%)であった。これは、ナイジェリア及び
他の低所得国において、農作業やヒトの習慣により、これらの感染源がヒトにとって重
要であることを示している可能性がある。

Emerg Infect Dis.
29(2023)314-322

アンピシリン、ストレプトマイシン、スルファメトキサゾール、テトラサイクリン(ASSuT)に
耐性を示すSalmonella enterica I serotype 4,[5],12:i:感染の報告が増えている。米国に
おけるこのサルモネラ菌による感染症の疫学、耐性特性、及び遺伝学について説明す
るために、5つの国家監視システムのデータを分析した。その結果、ASSuT耐性
Salmonella 4,[5],12:i:が2009~2013年のサルモネラ感染症の1.1%から2014~2018年
の2.6%に増加し、この耐性パターンのないSalmonella 4,[5],12:i: 分離株の割合は同じ
期間に3.1%から2.4%に低下していた。2015年から2018年にかけて配列決定された分
離株のうち、合計69%が同じ系統発生クレードに属していた。このクレードのうち77%
がASSuT耐性の遺伝的決定因子を有し、16%がシプロフロキサシン、セフトリアキソ
ン、アジスロマイシンに対する感受性低下の遺伝的決定因子を有していた。多剤耐性
菌に関連したアウトブレイクでは、63%が豚肉の摂取又はブタとの接触に関連してい
た。ブタのSalmonella 4,[5],12:i:保有を防止すれば、この菌株によるヒトへの感染を防ぐ
ことができると考えられる。

7 サルモネラ症

Euro Surveill.
28(2)(2023)24-33

2020年9月から2021年1月にフランスで全国的に発生した乾燥豚肉ソーセージが関与し
たサルモネラ・ボビスモルビフィカンスST142及び単相性サルモネラ・ティフィムリウム
ST34の複数血清型によるアウトブレイク。フランス国立大腸菌、赤痢菌、サルモネラリ
ファレンスセンターは2つのヒトクラスターを確認した。1つ目のクラスターは2020年9月
から11月にサルモネラエンテリカ血清型ボビスモルビフィカンスST142、HC5_243255
(EnteroBase HierCCcgMLST scheme)による感染で、33症例発生した(年齢中央値:
10歳、女性17人)。2つ目のクラスターは2020年10月から12月にサルモネラエンテリカ
血清型4,12:i:-, ST34、HC5_198125による感染で、11症例発生した(年齢中央値11歳、
女性7人)。Sante Publique Franceによる疫学調査でこれらのアウトブレイクは同一メー
カーの乾燥豚肉ソーセージの摂取と関連付けられた。サルモネラ・ボビスモルビフィカ
ンスとサルモネラ4,12:i:-は国立リファレンス研究所より異なった食品サンプルから分離
されたが、両株はqPCRによってのみ一つの食品サンプルから同定された。2020年11
月にフランス農業・食糧省食品総局から乾燥豚肉製品の回収が3件公表され、8つの
スーパーマーケットチェーンに影響を及ぼした。食品及び飼料に関する欧州緊急警報
システムによる通知と、食品及び水媒介疾病及び人獣共通感染症疫学情報システム
による欧州緊急調査が開始された。フランス国外での報告はない。複数血清型のサル
モネラによるアウトブレイクは微生物研究所の標準的な手順では検出されないことがあ
る。

8 テニア症

ウガンダにおける人獣共通感染症であるTaenia solium のサブナショナルなマッピング
調査を実施し、高リスク地域を特定した。最終的な解析には、合計16の論文(ブタ嚢虫
症(PCC):11、人嚢虫症(HCC):5)が含まれた。観測されたHCC有病率は0.01%~
International Journal of
6.0%(信頼区間範囲:0.004~11.4%)、調整後のPCCは0.3~93.9%(不確実区間範
Infectious Diseases.
囲:0~99.8%)の範囲である。また、モデル化されたPCC危険因子と有病率は、ウガン
129(2023)274-284
ダ国内及び時間経過とともに大きく変動した。高いPCC有病率と中程度のHCC曝露量
の推定値は、ウガンダにおけるT. solium の制御努力を緊急に実施する必要性を示して
いる。

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6 サルモネラ症

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