よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


小児・AYA世代がん患者のドラッグアクセスの改善を目指す 複数の適応外薬、未承認薬を対象とする医師主導臨床研究開始 (2 ページ)

公開元URL https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2024/0119/20240119.pdf
出典情報 小児・AYA世代がん患者のドラッグアクセスの改善を目指す(1/19)《国立がん研究センター》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

背景
小児がんに対して国内で承認されている医薬品は、欧米に比べて多くありません。さらに、小児や
AYA 世代のがん患者さんが参加可能な治験や臨床試験も欧米に比べて少ないのが現状です。近年、
難治性の固形がん患者さんに対してがん遺伝子パネル検査が使用できるようになり、小児がん患者さ
んでも治療候補となる遺伝子異常が見つかるようになってきました。ただし、小児がん患者さんの多くは、
候補となる薬が承認されていない、または参加可能な臨床試験がないといった理由で、希望する治療を
受けることができません。
現在、日本において治療選択肢を増やす試みとして、がん遺伝子パネル検査*4により判明した遺伝子
異常に対し、患者申出療養制度を利用して適応外薬を投与する NCCH1901 試験*5(遺伝子パネル検査
による遺伝子プロファイリングに基づく複数の分子標的治療に関する患者申出療養;BELIEVE 試験)が
実施されています。しかし、NCCH1901 試験では小児を対象とする医薬品が限られています。
このような背景から、小児がん患者さんでは、海外で有効性が報告された医薬品の適応外使用、ある
いは未承認薬の患者さんやご家族による個人輸入も含めた使用がなされることも少なくありません。適
応外薬や未承認薬を使用する場合、効果が期待できる可能性がある一方で、予期せぬ副作用が起きる
ことも考えられるため、適切な管理下で実施することが重要です。さらに、保険外診療となり医療費が原
則全額自己負担となります。
※適応外薬の薬剤費については、国立がん研究センター「国内で薬事法上未承認・適応外である医薬
品について」のページをご参照ください。
https://www.ncc.go.jp/jp/senshiniryo/iyakuhin/index.html
本研究は、患者さんのご家族からの「保険適用されていない薬を使用しなければならないのであれば、
医師の管理の下で安心して使いたい」という声や、使いたかった薬を使えなかった患者さんのご家族の
「自分の子どもの経験を他の子どもたちのために役立ててほしい」という要望などに基づき立案されまし
た。
取り組みの詳細
本研究は、難治性小児・AYA がん患者さんを対象に、患者申出療養制度を利用して適応外薬あるい
は未承認薬を投与する臨床研究です。
本研究で使用する医薬品は、すでに国内または海外で小児を対象とした臨床試験が行われており、小
児における一定の安全性情報がある医薬品を対象としています。国内で小児に対する投与方法(用法・
用量)が定められていない医薬品については、海外で承認されている小児に対する投与方法や小児に
対する治験等をもとに、本研究に参加する小児がん患者さんにおける投与方法(用法・用量)を決めてい
ます。

2