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ゲル充填人工乳房及び皮膚拡張器植込み患者等における乳房インプラント関連未分化大細胞型リンパ腫(BIA-ALCL)の発生及び植込み患者等に対する情報提供について(周知依頼) (6 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190382_00010.html
出典情報 薬事・食品衛生審議会 医療機器・再生医療等製品安全対策部会(令和3年度第2回 3/16)《厚生労働省》
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2022 年 2 月

乳房インプラント関連未分化大細胞型リンパ腫(BIA-ALCL)についてよくあるご質問
日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会
日本形成外科学会
日本乳癌学会
日本美容外科学会(JSAPS)

Q1:乳房インプラント関連未分化大細胞型リンパ腫

A:

(以下 BIA-ALCL と略示)とは何ですか?

BIA-ALCL は、乳房再建術または乳房増大(豊胸)術で乳房インプラント(ゲル充填人工乳房)

を挿入された方に発症する可能性がある発症頻度の低い T 細胞性非ホジキンリンパ腫の型の一つ
です。乳腺組織から発生する癌(乳腺悪性腫瘍)とは異なるもので、インプラント周囲に形成される
被膜組織から発生する増殖性の腫瘍です。ALCL は、他の人工物(整形外科用インプラント、歯科イ
ンプラント、注入ポート等)埋入症例でも報告されています。多くの場合、手術後に一定期間経過
したにもかかわらずインプラント周囲に増生する貯留液や被膜の腫瘤形成などにより乳房が腫大
する兆候がみられます。他の ALCL と異なり緩徐に進行し、手術後の適切な定期健診において確認
された場合においては、外科的治療などにより十分治癒が見込めます。しかし、治療開始が遅延し
たことで化学療法や放射線治療が必要となる場合や、非常に稀ではありますが死亡に至った症例も
報告されています。

Q2:BIA-ALCL が疑われる場合、どのような症状がみられますか?

A:一般的には、乳房インプラントを挿入してから一定期間(平均 7-9 年)経過してから乳房が腫
大する(乳房が大きくなる)兆候がみられます。その他、乳房や脇にしこりを触知する、乳房の変形
や潰瘍形成がみられる、痛みを自覚するといった症状がみられることもあります。ほとんどの場合、
画像検査でインプラント周囲に持続的な液体貯留が確認されます。

Q3:BIA-ALCL が発症しやすくなる要因はありますか?

A:インプラントの表面性状が発症リスクに関与している可能性があります。これまでのところ、イ
ンプラント外殻の性状がテクスチャード(表面がざらざらした性状)タイプの使用例での発症が報
告されている一方で、スムーズタイプ(表面がつるつるした性状)のインプラントしか埋入したこと
のない症例での報告はありません。しかしながら、これまでの情報だけではスムーズタイプでの発
症を完全には否定できるわけではありません。現時点で、免疫反応、遺伝的要因、インプラントを