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03 資料1 高齢者に対する肺炎球菌ワクチンについて (12 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_36630.html
出典情報 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 ワクチン評価に関する小委員会(第22回 12/1)《厚生労働省》
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ワクチンの有効性に関する最近の知見①
○ 成人における、PPSV23のカバーする血清型のIPDに対する予防効果を、小児のPCV13の定期接種後導入時(2013~2015年
度)と2017年度で比較した研究。高齢者においては、2つの時点で、有効率の変化は見られず、中等度の有効性が持続しており、著
者らは、PPSV23の臨床的な意義は保たれていると報告している。
R Shimbashi1(Emerging Infectious Diseases, 2020 )
研究内容:PPSV23の有効性は、カバーしている血清型の間で一定程度差があることを踏まえ、小児肺炎球菌感染症への定期接種として
PCVが導入されたことが、成人におけるPPSV23のvaccine effectiveness(VE)に影響を与えたかどうかを評価する目的で研究を実施。
日本の10都道府県において医療機関から届け出られた侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)の症例を対象とした症例対象研究。PPSV23でカバー
される血清型によるIPD症例をcaseとし、PPSV23でカバーされない血清型によるIPD症例をcontrolとした。観察期間は2013年4月から
2017年12月。
結果:観察期間を通して20歳以上における、PPSV23がカバーする血清型のIPDに対するワクチンの有効性は42.2%だった。
研究期間中に、20歳以上のIPDに占める、PCV13がカバーする血清型の割合が大幅に減少した(45%から31%)にもかかわらず、
PPSV23血清型IPDに対する有効性の変化は限定的(47.1%から39.3%、p=0.953)であり、65歳以上では変化がなかった(39.9%から
39.4%、p=0.809)。
図:20歳以上のIPDにおけるワクチンがカバーする血清型の割合
(2013年~2017年)

表3:20歳以上の各年齢層における、研究期間内のPPSV23のIPDに対する有効性

1 Reiko Shimbashi, Motoi Suzuki, Bin Chang, Hiroshi Watanabe, Yoshinari Tanabe, Koji Kuronuma,Kengo Oshima, Takaya Maruyama, Hiroaki Takeda, Kei Kasahara, Jiro Fujita, Junichiro
Nishi, Tetsuya Kubota, Keiko Tanaka-Taya, Tamano Matsui, Tomimasa Sunagawa, Kazunori Oishi. Effectiveness of 23-Valent Pneumococcal Polysaccharide Vaccine against Invasive
12
Pneumococcal Disease in Adults, Japan, 2013–2017. Emerg Infect Dis. 2020 Oct;26(10):2378-2386.