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資料2-2 MID-NET・NDB の行政利活用の調査実施状況について (6 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_31510.html
出典情報 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会医薬品等安全対策部会(令和4年度第4回 3/2)《厚生労働省》
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95%信頼区間の下限は 0.5 未満であった。



改訂後に DPP-4 阻害薬が新規処方された中等度の腎機能障害患者(30 < eGFR
< 60)において、乳酸アシドーシス又は高乳酸血症は、いずれも 10 人未満で認
められた(表 2(C))。

表 2.調査対象集団における乳酸アシドーシス及び高乳酸血症の発現状況
患者数
総人年
アウトカム
(人)
(人年)
発現数(人)
(A)メトホルミンが新規処方された中等度の腎機能障害患者(30 < eGFR < 60)
乳酸アシドーシス
改訂前
914
539.52
0
改訂後
231
55.17
0
高乳酸血症
改訂前
914
539.41
<10
改訂後
231
55.17
0
(B)メトホルミンが新規処方された患者(腎機能障害の程度を問わない)
乳酸アシドーシス
改訂前
4,702
2,981.48
<10
改訂後
1,172
299.52
<10
高乳酸血症
改訂前
4,702
2,980.62
<10
改訂後
1,172
299.52
<10
(C)改訂後に DPP-4 阻害薬が新規処方された中等度の腎機能障害患者(30 < eGFR < 60)
乳酸アシドーシス
1,268
259.69
<10
高乳酸血症
1,268
259.50
<10
MID-NET®の公表基準に基づき 10 例未満の集計値が特定できないようマスクしている。また、同様の
理由からアウトカムの発現率についても記載を省略している。
各検査(eGFR、HbA1c 及び血中乳酸濃度)に関して、(B)の患者集団における追跡期間中の実施頻度
は注意事項等情報の改訂前後で大きな差異はなかった(各検査の実施患者の割合(%)は改訂前で
82.24%、65.99%及び 1.66%、改訂後で 77.56%、58.28%及び 1.54%であった。また、90 人日あたりの各
検査実施回数は改訂前で 2.18、1.47 及び 0.01、改訂後で 2.85、1.43 及び 0.02 であった)。



結果を踏まえた考察:



メトホルミンが新規処方された中等度の腎機能障害患者(30 < eGFR < 60)の割
合は改訂前後で同程度であり(図 1)、改訂後に中等度の腎機能障害患者(30 <
eGFR < 60)に対してメトホルミンの新規処方された患者の割合が増加している
傾向は認められなかった。また、メトホルミンの処方件数(新規処方か否か及
び腎機能障害の程度を問わない)に占める中等度の腎機能障害患者に対する処
方の割合についても、メトホルミンの適正使用に関する Recommendation 及び
注意事項等情報の改訂前後で同程度であった。したがって、中等度の腎機能障
害患者(30 < eGFR < 60)へのメトホルミンの処方割合に対する注意事項等情報
の改訂の影響は大きくないと考えられた。



メトホルミンが新規処方された中等度の腎機能障害患者(30 < eGFR < 60)にお
ける初回処方時の 1 日処方量が通常の開始量(500 mg)以下である患者の割合
は、改訂後に高い傾向が認められ(表 1)、投与は少量より開始する旨を新たに
注意喚起したことが、処方行動に一定程度影響した可能性が示唆された。



中等度の腎機能障害患者(45 < eGFR < 60)に対するメトホルミンの処方(新規
処方か否かを問わない)の多くは、注意事項等情報に記載された 1 日最高投与
量の目安量(1,500 mg)以下であり、当該処方の割合は改訂前後で変化がなか
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