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資料 先-1○先進医療Bの総括報告書に関する評価について(告示番号旧5/ jRCTc030190194) (2 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205617_00054.html
出典情報 先進医療会議(第118回 2/2)《厚生労働省》
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あったが、唯一重篤な有害事象としてGrade 5の呼吸不全が報告されている。剖検や呼吸
器内科医の意見としても本細胞療法との因果関係は否定的であったが、本試験と間質性
肺炎の因果関係がないとは言えず、結果を重く受け止め休止としていた。本試験は目標
症例数に達せずに中止となり、安全性の評価としても不十分となってしまったが、試験
薬を鼻粘膜下投与した既報や静脈内注射した既報においては重篤な副反応は現病の悪化
によるもののみであるため、本プロトコール治療の安全性は低くはないと判断される。
臨床検査値の悪化と樹状細胞投与との関連は不明であるものがほとんどであるものの、
すべて軽微な異常のみであり重篤と判断された検査値はなく、臨床的に重要と判断され
る検査値変動は認めなかった。一方、既報では倦怠感の頻度は13.0%、発熱の頻度は34.8%
と比較的頻度の高い副作用であったが、本試験においては倦怠感は非処理群のみに認め
られ、実薬群での発熱は1例のみであった。本試験で発生頻度が低かった理由は不明であ
る。
[総括]
安全性の評価としてはGrade 1,2の有害事象については、αGal-Cerパルス樹状細胞群
と非処理群で有意差を認めなかったことに加え、内容も軽度であった。ただし、Grade 5
の呼吸不全に関しては関連が否定できないとなった。今後の頭頸部がん患者を対象とし
た臨床試験に関しては呼吸不全に対する安全性の確保が重要であることを示唆する内容
であった。ただし、因果関係の確定した重篤な副反応は認めていないため、呼吸機能の
観察に重点を置き試験を計画すれば、本治療法には改善の余地があると思われる。
2.先進医療技術審査部会における審議概要及び検討結果
(1) 開催日時:令和4年 12 月 15 日(木)16:00~
(第 143 回 先進医療技術審査部会)
(2) 議事概要及び検討結果
千葉大学医学部附属病院から提出のあった総括報告書について、先進医療技術審
査部会で、有効性・安全性等に関する評価が行われ、総評として概要は以下のとお
りであった。
○αGal-Cer 刺激樹状(DC)細胞は、NKT 細胞を活性化することで抗がん作用を
発揮すると期待されている。血中 NKT 細胞数(濃度)と本医療技術の相関の
検討があれば、NKT 細胞数が低い患者にαGal-Cer 刺激 DC 細胞と NKT 細胞の
併用療法を行うという説明も合理的である。併用療法を立案する場合、堅固
な rationale を基盤とし、被験者の選定を進めていただきたい。
○本先進医療の資料をもって薬事承認につながることはない。しかしながら、
NKT 細胞との併用療法の開発において、安全性の観点からαGal-Cer 刺激自己
樹状細胞の臨床データは貴重であり、参考資料としての活用も考慮していた
だきたい。
当該技術の総括報告書を了承し、先進医療会議に報告することとした。
(本会議での評価結果)
第 143 回先進医療技術審査部会 資料1-1参照
(評価技術の概要)
第 143 回先進医療技術審査部会 資料1-3参照

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