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参考資料2 地域で安心して暮らせる精神保健医療福祉体制の実現に向けた検討会報告書(案) (29 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000195428_00058.html
出典情報 社会保障審議会 障害者部会(第131回 6/3)《厚生労働省》
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2.医療保護入院の同意者について
【現状・課題】
○ 現行制度は家族等(※)のうちのいずれかの者の同意を要件とする。家族等同意
は、本人の同意に基づかない入院を指定医の診断のみで行う仕組みは患者の権利擁
護の観点から適当でない等の観点から、本人の身近に寄り添う家族が、医師からの
十分な説明を受けた上で同意することを目的に、平成 25 年改正により導入された。
※ 配偶者、親権者、扶養義務者、後見人又は保佐人。該当者がいない場合等は、
市町村長が同意の判断を行う。


平成 29 年2月に取りまとめられた「これからの精神保健医療福祉のあり方に関
する検討会」報告書では、現在の家族等同意の機能について、入院することを本人
に代わって同意することではなく、①医師の判断の合理性(説明に対する納得性)、
②入院治療が本人の利益に資するかについて、本人の利益を勘案できる者の視点で
判断する点にあると整理できるとされている。
その上で、①については、現在の家族等同意では、家族等に医学的な専門知識ま
で必ずしも求めてはおらず、医師が家族等に対し、理解しやすいよう丁寧に病状や
入院治療の必要性等を説明した上で、家族等が医師の説明に納得して判断できれば
足りると考えられる、②については、家族等には、本人についての情報をより多く
把握していることが期待されていると考えられる、とされている。



家族等同意については、同意したことで家族の精神的負担や本人との関係性の悪
化につながるため、廃止してほしい、また、市町村長同意については、医療機関の
判断を追認する形で手続が行われているのではないか、との意見があった。

【対応の方向性】
(同意者についての議論)


医療保護入院の同意者に関する検討会での意見を整理すると、以下の表のように
なる。
同意者

前提の
考え方

理由

課題

(現行)家族等

(現行)市町村長

指定医のみ

代理人

病院外の
精神保健福祉士

司法

・ 医療保護入院の必要性については、病気の自覚を持てない場合があり、症状の悪化により判断能力そのものが低下
する特性を持つ精神疾患については、自傷他害のおそれがある場合意外にも、入院治療へのアクセスを確保する仕組
みが必要とされている(平成29年2月「これからの精神保健医療福祉のあり方に関する検討会」報告書)。
・本人の人権擁護の観点からは、指定医の医学的判断について、適正な第三者による確認が必要。
・ 血縁の家族、居住先の公的な市町
村は必ず存在する。
・ 家族については、本人の情報をより
多く把握していることが期待でき、本
人の利益を勘案できる者と考えられ
る。

・ 2人の指定医
による医学的な
判断。

・ あらかじめ支
援者を登録。

・ 精神保健福祉
士には、患者の
権利を擁護する
役割がある。
・ 入院すべきか、
地域の中で医
療提供すべきか
の観点が求めら
れる。

・ 非自発的入院
について、手続
的な確認が可
能。

・ 家族への負担
・ 家族状況の複
雑化により、必
ずしも家族が本
人の利益を勘案
できない場合が
ある。

・ 同一医療機関
の指定医では、
独立した判断と
はなりにくいなら
ない。
・ 指定医が足り
ない現状では、
実際上困難な
面がある。

・ 本人が入院を
拒否している時
点において、過
去に登録した者
の同意がどのよ
うな効果を持つ
のか、慎重な検
討を要する。

・ 非自発的入院
への同意は、権
利擁護を図ると
いう精神保健福
祉士の任務とは
馴染まないので
はないか。

・ 医学的な専門
性を伴う判断に
ついて、法律家
が実体的に否
定することは実
際上困難な面
がある。

・ 医療機関の判
断を追認する形
にならないか。

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