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岡部先生提出資料(会議後セット版) (6 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00348.html
出典情報 新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(第86回 6/1)《厚生労働省》
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2.小児重症例への備え
成人と比べて小児は軽症とされ、オミクロン株流行下ではそれ以前の変異株と比べて病
原性が低下していると考えられているが、感染者が激増すると小児感染者も増加し、その結
果として小児の重症例も出現する。これらの症状に対する必要な治療が速やかに行われ、自
宅での急変にも対応できる医療体制の構築が望まれる。また、症状が悪化するリスクが高い
あるいは高くなると思われる小児が、小児科医の管理の下自宅等で療養する際に、病態の変
化など自宅等でも早期にとらえられるように、小児に装着できるパルスオキシメーターの
確保と普及を行うべきである。
オミクロン株の感染は小児においても成人と同様に以前の変異株より軽症化しているこ
とが報告されている一方で、香港におけるオミクロン系統株 BA.2 の流行で急性脳症 2 例を
含む死亡例が 4 名報告された。わが国においても発生動向調査において急性脳炎脳症の報
告が散見されている。第 6 波においては熱性痙攣の症例も増えていることが小児科の間で
は話題となっているが、一般的に熱性痙攣も急性脳症も欧米と比べて日本を含む東アジア
では多いことから、わが国の小児においてオミクロン株の感染が決して軽視できない可能
性には留意すべきである。軽症であっても、リスクに応じて確実なフォローアップ体制が必
要な所以である。BA.4 および BA.5 の検出も海外を中心に報告されている。感染力は BA.2
より高いとの報告もあり、今後の動向が注目される。
コロナであるないに関わらず、小児の容態は変わりやすく、小児においては必要な救急受
診が適正なスピード感で行われる必要がある。しかし現状は、発熱等コロナウイルス感染症
を疑う患者についてコロナの検査で陰性が確認されるまでは次の診断・治療へのステップ
に進めず、遅れを生じやすい。またコロナと判明した場合には受け入れる施設がなかなか見
つからないという状況のために、適正なスピードで対応できていないことが多い。現状はコ
ロナであるか否かが診断治療の判断前に重視されがちであるが、医療的適応を重視した速
やかな救急医療の整備対応が小児救急医療のみならず全般に必要である。
周産期医療においても、胎盤早期剥離や臍帯脱出のような超緊急事態において、救急搬送
と受け入れ先での対応が求められるスピードで行われなかった事例が各地で起こっている。
障壁となっているのは、この場合においてもコロナ検査陰性が確認できないと受け入れら
れないという一部の医療機関が少なからず存在していることも一因である。このような場
合もコロナであるか否かが診断治療の判断前に重視されがちであるので、緊急性を重視し
た取り扱いが可能になるような医療体制が必要である。
なお、このようなことは小児医療・周産期医療に限ったことではなく医療全般に通じるこ
とであり、コロナ医療が一般医療でも取り扱うことができるようにしていくことも、議論を
すすめていくべきである。
3.他のウイルス感染症に対する注意喚起
コロナ禍により、生活様式が変化したことで、子どもたちの様々な感染症が激減した一方、
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